誰もが応募できるオンラインの写真コンテスト「IMA next」第3弾のテーマ「NOW(いま)」のグランプリ受賞者が発表された。
グランプリは小阪吾郎の作品「千景」。小阪は本作について、「毎朝仕事へ送り出してくれる妻と娘を、玄関越しに撮影した作品になります。このシリーズは、645で毎朝1枚撮影し、1本分の16枚をコンタクトの様に並べています。娘の成長記録としての意味合いが強いですが、私や妻の状況も写し出されています。また、このありふれた光景の束は、私を含めた鑑賞者の記憶を呼び起こす鍵としての側面も持っています。連続する今が、過去や未来を連想させ、終わりをも感じさせます。その上で、限りある今を強く意識させます。2017年の9月から撮影を始め、この9月でちょうど2年になり、娘は11月で3歳になります。作品タイトルは、娘の名前からとりました。幾千の景色を見せてもらうことを、私は夢見ています。」と語った。審査員を務めたレスリー・マーティンは選評として下記のように述べている。
“「現在」という概念は瞬間的なものであり、絶えず移り変わっていく。写真が撮られる瞬間、それはもう過去の記録に過ぎない。小阪吾郎によるシリーズ「千景」。これは、彼の幼い娘にちなんで名付けられたもので、彼の家族を続けて記録し、時間の持つ瞬間的な性質に絶えず向き合った作品だ。それぞれのフレームの内側には、小阪が毎朝仕事に出かける際に撮影した彼の妻と娘の様子が記録されている。これらの写真にはどこを見ても特筆すべきものはない。だが、ひとつひとつの瞬間は、あるものは可愛らしく、あるものは叙情的で、あるものは語られることのない日々の家庭生活の緊張感に満ちており、こういった瞬間の積み重ねが、表面上は非常にありふれた光景に根ざしていることで、いっそう心に響くものになっている。日常的なルーティンとして写真を撮るという行為が、黙想の手段になっているのだ。その想いとは、「今この瞬間を生きなさい」という金言を文字通り具現化したものだ。”
なお、ショートリストにはNoritaka Minami、小浜はるみ、Naoyuki Hata、そして山本華の4名の作品が選ばれた。公式サイトにはショートリストの選評と受賞作品がそれぞれ掲載されている。
タイトル | 「IMA next」THEME #03 “NOW(いま)” |
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審査員 | レスリー・マーティン(Aperture財団クリエイティブ・ディレクター/『The PhotoBook Review』発行人) |
グランプリ | 小阪吾郎「千景」 |
ショートリスト | Noritaka Minami「SGN」 |
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