新型コロナウイルスの感染予防のため世界各国で多くの人が自宅待機を強いられている。日本も例外ではなく、その影響によって普段私たちにとってアートにふれる場であるギャラリーや美術館が休業し、あらゆるイベントも中止となってしまった。そんな中、オンライン上でさまざまな方法を用いて、気軽にアートを閲覧できるプラットフォームを構築する試みも多く見受けられる。ここでは、オンラインでアートフォトを中心に、アートにふれられるメディアをいくつかピックアップ。期間限定のものもあるため、ぜひ早めにチェックしてみては。
Google Arts & Culture
世界中の美術館を自宅から
Googleが主催する世界中のアート・文化機関をまとめるサイトであり、Getty MuseumやMoMAなど多くの国際的美術館も参加している。各美術館が掲載している館内のストリートビュー、所蔵作品のアーカイブ、スライドショーを用いたオンライン上の展覧会や作品の細かな説明のほか、多くの写真家を含む作家専用のページなど幅広いコンテンツが見つかるはず。オンラインならではの作品公開によって、普段の展覧会とはまったく異なる体験に出会えるはず。
https://artsandculture.google.com/
Getty Publications
300冊以上の美術本が読み放題
2014年にGetty Publicationsは自身の出版本をすべて、誰もが無料で閲覧、ダウンロードできるいわゆるバーチャル図書館を公開した。これまでに刊行してきたアート、写真、建築や考古学など多岐に渡るジャンルの美術本、300冊以上が自由に読めるようになっている。お気に入りの1冊を探し出して自宅でじっくり写真の世界に浸るのもいいかもしれない。
https://www.getty.edu/publications/
#FoamAtHome
これまでの雑誌アーカイブが無料公開
オランダの写真雑誌『Foam』が、50冊以上のデジタルアーカイブを無料公開している。ウェブサイトから登録するだけで、各号がまとめられているページにアクセスできるようになる。なかにはもう売り切れてしまっていてなかなか手に入らない1冊もあり、今回はそれらが読める唯一のチャンス。4月21日(火)までと短い期間ではあるが、海外の雑誌から新しい写真の楽しみ方を発見できる機会になるのでは。
~2020年4月21日(火)
https://www.foam.org/museum/foamathome
Shelter and Place
写真コミュニティをZINEでつなぐ参加型のプロジェクト
ニューヨークの作家、ピート・ヴォルカー主催のSpotzがロンドンのPhoto Book Caféとともに、新型コロナウイルスに後押しされ、スタートしたこのプロジェクト。世界中から横位置の写真を2枚セットで集め、ひとつのコラボレーションを構築。パンデミックにより余儀なくされた現在の生活を撮った一枚と、この緊急事態の前に撮影された一枚が随時ウェブサイトに掲載され、最終的には1冊のZINEにまとめられる。世界的に不安がつのるいま、写真コミュニティのつながりが再確認できるプロジェクトはないだろうか。
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。