10 May 2021

書店員に聞くおすすめの写真集
【本屋青旗 編】

AREA

福岡県

10 May 2021

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書店員に聞くおすすめの写真集【本屋青旗 編】 | 書店員に聞くおすすめの写真集【本屋青旗 編】

独自の品揃えを持つ3つの書店に、それぞれの個性が光るテーマでおすすめの写真集を選んでもらった。自宅で過ごす時間が増えたいま、写真集を手に取ってじっくり観てはいかがだろうか?第1弾は2020年10月に福岡市にオープンした本屋青旗。アートブックやZINE、プロダクトを中心に、視覚文化を軸としたセレクトで、九州に新たな風を吹かせている書店の選ぶ写真集を早速見てみよう。

セレクト・文=川﨑雄平

インスピレーションにあふれるユニークな写真集

ジェニー・ロヴァ『I would also like to be』

スウェーデン出身のアーティスト、ジェニー・ロヴァが、元恋人のFacebookをストーキングして写真をダウンロード、新しいガールフレンドの位置に自分をコラージュした作品集。ロヴァは、新しいガールフレンドのポーズ、表情、服を真似て、同じ光の中で自分自身を撮影し、新しい彼女の位置に自分の写真を重ね合わせています。「I WOULD ALSO LIKE TO BE=私もなりたい」という誰しもに生まれかねない欲望に、深い嫉妬と少しの狂気を携えながら、装丁と冒頭の謝罪文でなぜか笑ってしまう作品に。

タイトル

ジェニー・ロヴァ『I would also like to be』

出版社

B. Frank Books

価格

4,950円(税込)

発行年

2015年

仕様

ソフトカバー/200mm×260mm/72ページ

URL

https://aohatabooks.stores.jp/items/5ffbfbf372eb4676b9a6e7d7


濵本奏『midday ghost』

写真家・濵本奏の初作品集『midday ghost』。現実に紛れ込む非現実的な一瞬の輪郭をとらえた写真集です。何度も見返すうちに、写真からタイトル、コンセプト、構成までのすべてが繋がり、写真に潜む実体をもたない何かが浮かび上がってくる感覚を体験することができます。壊れたチェキで撮影した写真が始まりだったとのことですが、偶然のきっかけをインスピレーションにしながら著者に近い人たちが被写体となり、ほかには似つかない彼女ならではの作品となっています。

タイトル

濵本奏『midday ghost』

出版社

hitopress

価格

4,290円(税込)

発行年

2020年

仕様

200mm×140mm/288ページ(91点収録)/コデックス装/スリーブケースポスター付

URL

https://aohatabooks.stores.jp/items/6013b89faaf04312e2e61b7c


梅佳代『天神さま』川島小鳥『ピンクの光線』

2021年8月に閉館を迎えるイムズと三菱地所アルティアムで5月16日(日)まで開催中の展覧会 「TENJIN MATSURI 梅佳代『天神さま』、川島小鳥『ピンクの光線』」の図録。いずれも福岡の街とそこで暮らす、働く人々を撮影した作品でありながら、前者は現実の肚にある真っ直ぐな魅力を切り取り、後者は現実の外側にある幻想的な世界を描いています。同じような撮影条件のなかで、両者の視点の対比を味わえる稀有な1冊。開館から現在までの30年間で関わってきた、この街全ての人への恩返しのためにつくられたような、あたたかくも贅沢な写真集です。

タイトル

梅佳代『天神さま』川島小鳥『ピンクの光線』

出版社

イムズ

価格

1,000円(税込)

発行年

2021年

仕様

ソフトカバー/105mm×142mm/176ページ

本屋青旗
視覚文化を基軸とした本屋として、2020年10月福岡市薬院新川沿いにオープン。アートブックやZINE、プロダクトが並ぶ店内では、それらに関連した展示を積極的に行う。福岡ではアートブックに触れる場がいままで少なかったからこそ、より多くの人々に気軽に立ち寄れる本屋となることを目指している。

〒810-0022
福岡県福岡市中央区薬院3-7-15 2F
http://www.aohatabooks.com/

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