8 October 2021

久家靖秀、本城直樹、水谷吉法の撮り下ろしによる鎌倉・長谷寺の“型破りな”公式ガイドブック

8 October 2021

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久家靖秀、本城直樹、水谷吉法の撮り下ろしによる鎌倉・長谷寺の“型破りな”公式ガイドブック | 久家靖秀、本城直樹、水谷吉法の撮り下ろしによる鎌倉・長谷寺の“型破りな”公式ガイドブック

“長谷寺の観音さま”として親しまれる本尊、十一面観音菩薩立像の造立から今年で1300年を迎えた鎌倉長谷寺。国内外から人気が高く、コロナ前は海外からも多くの参拝者が訪れる鎌倉屈指の名刹として人気を誇ってきた。その長谷寺が、このたび1300年を記念して、公式ガイドブック『観音花浄土 鎌倉 長谷寺』を刊行した。本ガイドブックでは、3人のアートフォトグラファーを起用し、写真家ならではの視点で切り取った長谷寺のさまざまな魅力を伝えているのが大きな特徴。さらにデザイン・造本はあのグルーヴィジョンと、これまでのお寺のガイドブックの概念を覆すものとなっている。

国内最大級の9.18メートル(三丈三寸)の総高をもつ本尊や三十三応現身立像などを撮り下ろしたのは、久家靖秀。彫刻としての仏像というより、衆生済度を誓願する生きた存在としての菩薩の姿を表情豊かに浮かび上がらせている。仏像写真のイメージを覆すアプローチで撮られたイメージは、現代に生きる私たちの目にも新鮮に映る。


境内の景色や由比ヶ浜を見下ろす見晴台からの眺望などは、本城直樹が撮影。大判カメラのアオリを利用した独特のミニチュアのような空撮写真は、天上界から観音山を見守る仏の視点を感じさせる。境内、本堂内などのディテールとのミクロとマクロの視線の対比がとても興味深い。


水谷吉法は、境内で四季折々に咲き誇るさまざまな花と庭園を一年を通して撮影。約40種2500株が咲き誇るアジサイの名所としても知られる長谷寺だが、アジサイに限らず花の楽園として常に訪れる人を飽きさせることはない。遠近を活かしたコンポジションと色彩のコントラストが、輪廻する生命の儚さと力強さを際立たせるようだ。

写真ページだけでなく、養老5年(721)に大和長谷の山中で見つけた霊木から造立されたと伝承される観音菩薩の縁起や寺の歴史、宝物などを紹介したテキスト、民俗学者・畑中章宏による観音信仰の解説のほか、長谷寺の境内を遊び場として育ったという芥川賞作家・保坂和志による特別エッセイも収録。約100種もの花々が楽しめる四季折々の花暦、山内の見どころを紹介したイラストマップ付きだ。

『オフィシャルガイドブック 観音花浄土 鎌倉長谷寺』


尚、現在鎌倉長谷寺では、御本尊の全身ご開帳のほか、例年12月18日の「観音会」にのみ年に一日だけ行われてきた、観音さまの足先に直接手を触れることのできる特別な機会「御足参り」が、ご本尊造立1300年記念として毎日実施されている。

そのほかにも和紙作家・堀木エリ子による和紙をあしらった御本尊特別装飾、御本尊十一面観世音菩薩限定御分身(いわゆる仏像フィギュア。サイズは大小2種。シリアルナンバー入り)の頒布、東京国立博物館の浅見龍介氏による特別講演など、造立1300年記念のプロジェクトや記念の品が盛りだくさん。

『オフィシャルガイドブック 観音花浄土 鎌倉長谷寺』

10月8日(金)からは、最寄りの長谷駅を通る江ノ島電鉄が長谷寺仕様にラッピングされる。この機会に、長谷寺でのさまざまな催しを楽しんだ上で、I公式ガイドブックを手にしてほしい。

タイトル

『オフィシャルガイドブック 観音花浄土 鎌倉長谷寺』

版元

鎌倉長谷寺

出版年

2021年

価格

2,300円

仕様

ソフトカバー/197mm×248mm/144ページ

URL

https://jyuyo.com/items/607cdc19d5e9c951eaed8a9e

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