22 August 2022

伝説の銘玉ホロゴンが組み込まれた超広角カメラ|新宿 北村写真機店ヴィンテージカメラのすすめ Vol.5

22 August 2022

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伝説の銘玉ホロゴンが組み込まれた超広角カメラ|新宿 北村写真機店ヴィンテージカメラのすすめ Vol.5 | 伝説の銘玉ホロゴンが組み込まれた超広角カメラ|新宿 北村写真機店ヴィンテージカメラのすすめ Vol.5

今回紹介するのは、超広角専用カメラ「ツァイス・イコン・ホロゴン・ウルトラワイド 15mmF8」。カール・ツァイスのホロゴン15mmF8といえば、魚眼ではない画角110°の超広角レンズで、1972年に発売されたライカMマウントの交換レンズとして有名です。それに先駆けて、ツァイス・イコンが1968年に発売したのが本機で、コンタレックス・スーパーのボディにホロゴンを固定装着した超広角専用機です。

撮影=佐藤万智弥
文=新宿 北村写真機店

当時の雑誌記事によると、記録写真家、建築写真家、学術用、工業用の特殊カメラとして紹介されており、価格は1,800マルクとあります。ホロゴンは強く湾曲した分厚い前後レンズと鼓形をした中央レンズからなる3群3枚構成で、固定焦点。中央レンズの強いくびれが絞りの効果をもつといわれ、F8の固定絞り。露出は専らシャッター速度で調整します。


魚眼ではないので、直線を直線として描写しますが、周辺光量が極度に不足するので、中央部の濃いグラデーションの専用NDフィルターで補正をします。このフィルターはホロゴンを使う場合には必要不可欠なもので、レンズの光学的な明るさはF8ですが、中心部の濃度が4倍なので実用的な明るさはF11ほど。

このレンズの最大の魅力はディストーションがほとんどないこと。レンズを3枚しか使っていないため、光の透過率と色ヌケが凄まじく良い。また、レンズ構成が完全な対称のため、無限遠から近距離まで性能がほとんど変わりません。50年も前に非球面レンズも使わずに、たった3枚のレンズだけで作られているということはまったく驚異的です。

実際に撮影してみると、空気感と立体感が同時に襲ってくる印象を受けます。画面中心部はとてもシャープで、目に突き刺さるような解像力。逆に画面周辺部は光量が落ちるが、暗い部分もきちんと写っており、歪みもほとんどないため、超広角レンズで撮影したとは思えない描写が楽しめます。


また、あまりにも広角なので、カメラを普通に構えると両手指が写ってしまうため、グリップと専用ケーブルレリーズが必要です。フィルターやグリップもそれ自体で市場に出ることはほとんどないので、本機購入時は有無の確認が必須です。

ファインダーは、上部に水準器が組み込まれており、ファインダーの中でカメラの前後方向の水平度をチェックすることができます。光学的な構造は普通のガリレオタイプであり、ブライトフレームは入っていません。倍率はおよそ0.35倍。巻上げレバーやシャッターの感触は当時のツァイスらしい硬い印象。シャッター幕は布幕なので、ホロゴンの描写力を最大限フィルムに届けてくれます。

外観のデザインもとても魅力的です。元々一眼レフのボディにレンズを組み込んだため、レンジファインダーカメラの雄、ライカとも違う独創的なボディに仕上がっています。

ケースやグリップ、レンズカバー、説明書などが付属。ツァイス・イコン・ホロゴン・ウルトラワイド 15mmF8(55万円)

ケースやグリップ、レンズカバー、説明書などが付属。ツァイス・イコン・ホロゴン・ウルトラワイド 15mmF8(55万円)


本機の最大の特徴であるホロゴンレンズをフィルターを外した状態でじっくり眺めていください。その青白く光る球体は地球を感じさせ、いかにも写るレンズというオーラを醸し出しています。

新宿 北村写真機店
世界一のカメラストアをコンセプトに2020年新宿にオープン。新品・中古カメラやグッズ、ギャラリーやセルフスタジオ、子供写真館が揃い、機材だけに留まらない豊かなフォトライフを提供している。

東京都新宿区新宿3-26-14
10:00~21:00
https://www.kitamuracamera.jp/ja

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