"American Surfaces" and the Photobook

スティーブン・ショアとアメリカ内外の写真家がとらえたアメリカ
「アメリカン・サーフィス」と写真集展

AREA

アメリカ

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スティーブン・ショアとアメリカ内外の写真家がとらえたアメリカ |

ショアの大回顧展を開催中のニューヨーク近代美術館の教育別館の地下では、MoMA図書館の所蔵品の中から、ショアのおもな写真集と、ショア以前、ショア以降のアメリカ内外の写真家がとらえた、アメリカの風物や特定の事象を扱った写真集を展示している。

ショアが発刊した写真集は同じシリーズの異なる版を含めて50冊ぐらいある。しかし、回顧展では2000年代に発表したオンデマンド印刷によるものを除いて、純粋に写真集といえる出版物は展示されていない。この小展示は、それを補完する形になっている。

アメリカの写真集には100年以上の歴史があり、1938年に刊行されたウォーカー・エヴァンズの『American Photographs』は、アート写真集の始まりといえる。だが、それから20年間ほどは、テキストに付随する説明として写真が挿入された書籍が主で、写真だけで構成された写真集は少なかった。本格的にアメリカの写真家が写真集を出し始めたのは、この展示にも含まれているエド・ルシェの一連のアーティストブックが始まった1960年代から、その後のリー・フリードランダーやウィリアム・エグルストンの名作が出た70年代だ。


ショアの場合、初写真集『Uncommon Places』は、このシリーズが終わった1982年に刊出版され、『American Surfaces』に至っては1999年まで出版されていない。この展示では、この2シリーズの2種類の版とともに、『A Road Trip Journal』、『Merced River』、『The Hudson River』、『Winslow, Arizona』、そして昨年出版された『Selected Works: 1973-81』の計9冊で、アメリカを被写体としたショアの写真集を紹介している。

そのほかの展示品は、ショアが参加したエポックメーキングな『New Topographics』展の図録を例外として、残りは個人写真集だ。ウォーカー・エヴァンズ、ベレニス・アボット、ドロシア・ラング、ウィリアム・クライン、ロバート・アダムズ、ビル・オーウェンズ、ジョエル・スターンフェルド、サリー・マン、ジョン・ゴセージ、アレックス・ソス、タリン・サイモン、リチャード・ミズラック、トッド・ハイド、クリスチャン・パターソンなどと続き、最新作は昨年出たティム・カーペンターのもの。外国人作家としては古くはエーリッヒ・メンデルソーン、ロバート・フランク、そしてマーティン・パー、ロバート・ポリドリ、ゲリー・ヨハンソンら。唯一の日本人作家として藤原新也も入っている。

全52冊のうち半数は2000年以降に出版されたものであるところからも、21世紀に入ってからの西洋での写真集の隆盛ぶりがわかる。

Text and Photos by Yuriko Yamaki

タイトル

「”American Surfaces” and the Photobook」

会期

~2018年3月18日(日)

場所

MoMA(アメリカ)

URL

https://www.moma.org/calendar/exhibitions/3906