国内外の写真やダミーブックの賞へ応募する、ポートフォリオレビューに参加するなど、写真家がグローバルに活動していくチャンスはますます開かれている。これからを目指す写真家のために、国内外のアワードなどをジャンルごとにリストアップ。第二弾は、国内外の写真に携わるプロフェッショナルから、直接アドバイスの機会を得られる、ポートフォリオレビューやワークショップを紹介。自分自身と向き合いながら制作していく上で、他者の声に耳を傾け、ともに考えることもひとつの突破口になるかもしれない。そしてアドバイス以上に、出会いは自身の糧になっていく。IMAがおすすめする、ポートフォリオレビューとワークショップを厳選して紹介。
▼ポートフォリオレビュー
写真家として世界で活躍する目標をもった人たちのために、2013年よりIMA主催で毎年一回開催されているポートフォリオレビュー。 レビュワーは、海外から招聘したゲストのほか、ギャラリスト、編集者、キュレーター、アートディレクターなど、それぞれの分野の第一線で活躍しているプロフェッショナル。過去5回の参加者からは、『IMA』誌面への掲載のみならず、国内外でIMAが主催するグループ展への参加や、そこから海外ギャラリーでの展示やパリフォト出展までつながった写真家も。次世代の写真家の登竜門となっているポートフォリオレビュー。
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【応募資格】
特になし(事前審査あり)
【応募スケジュール】
~2018年6月18日(月)
【レビュー日】
2018年7月7日(土)
【会場】
海岸スタジオ
【応募費用】
20,000円(4名のレビューセッション、20分ずつ)
【特典】
・雑誌『IMA』「STEP OUT!」のページで作品が誌面掲載されるチャンス
・IMAが毎年主催し、パリフォトの期間中にパリ、UNSEENの期間中にアムステルダム、そして東京の3箇所で開催している「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS」展(特別協賛:パナソニック)への参加のチャンス
【審査員】
アマンダ・マドックス(J・ポール・ゲティ美術館のアソシエイトキュレーター)/ヤンヨー(Jiazazhi PressおよびPhotobook Libraryの創設者、ディレクター)/石井孝之(タカ・イシイギャラリー代表)/保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)/山峰潤也(水戸芸術館現代美術センター学芸員)ほか
「STEP OUT!」昨年のレビュー風景
アルル国際写真フェスティバルの一環として、
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【応募資格】
特になし
【応募スケジュール】
~2018年6月17日(日)
【レビュー日】
2018年7月2日(月)~7月7日(土)
【会場】
アルル国際写真フェスティバル内
【応募費用】
・200€(5名のレビューセッション、20分ずつ)
・320€(10名のレビューセッション、20分ずつ)
・450€(15名のレビューセッション、20分ずつ)
・550€(20名のレビューセッション、20分ずつ)
【特典】
翌年のアルル国際フォトフェスティバルで展示する機会
【審査員】
Sarah Allen(Tate Galleryアシスタントキュレーター)/Daphne Angles(『New York Times』写真展コーディネーター)/Neil Atherton(Mois de la Photo キュレーター)など
▼ワークショップ
Reminders Photography Stronghold(RPS)が主催する、より良質な写真集制作を目指す人に向けた、6日間のワークショップ。写真のクオリティとともに、デザインや装丁、本の全体像、コンセプトを重視し、写真集を最終形へ導く方法を伝授する。講師にはアムステルダムのデザイン事務所Heijdens karweiの創立者で、これまでに数々の受賞歴ある写真集を手がけてきたトゥーン・ファン・デル・ハイデン、サンドラ・ファン・デル・ドゥーレンを招く。このワークショップで制作した写真集がきっかけで、現在世界で高い注目と評価を得ることになった過去の参加者も。写真集という形式で作品を世に出して行くために、ここでしか得られない貴重な学びを経験できるはず。
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【応募資格】
・写真集を作る準備が整った作品、プロジェクトを持っていること
・ダミー、本、過去に実際に制作した経験がある者、または写真集制作ワークショップに参加された経験がある者
・ノートパソコンを持参し基本的な画像処理ソフトが使いこなせる事
・応募資料やその後の写真集制作時にテキストを英語でも準備できる事
・全日程時間厳守で参加出来る事
【応募作品】
・写真集案、本の核を言い表す6つの言葉 (キーワード)、コンテンツ、ストーリーのまとめ(A4一枚)
・メインとなる写真や視覚的素材のデータ15枚から45枚程度
【応募スケジュール】
~2018年6月20日(水)
【日程】
2018年10月19日(金)~21日(日)、26日(金)、28日(日)
【会場】
Reminders Photography Stronghold(東京都)
【参加費】
95,040円
【公式サイト】
http://reminders-project.org/rps/photobookmasterclass2018jp/
今年の募集は終了している、または応募要項が出ていない国内外のポートフォリオレビュー、ワークショップ
▼ポートフォリオレビュー
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」の一環として行われる。日本最大規模の国際写真祭なだけあって、レビュアーとしてキュレーターやギャラリスト、フェスティバル代表や出版者など、世界中から写真業界の第一人者たちが集う。レビュアーは、希望リストの中から最低一人と、提出作品を考慮してKYOTOGRAPHIEが推薦するレビュアーが割り当てられる。2017年度、2018年度はレビュアーが選出した参加者のうち、最優秀者にFUJIFILMから賞品が送られた。
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【応募資格】
写真を使って自己表現をするすべての者
【会期】
4月中旬
【会場(2018年度)】
ハイアットリージェンシー京都
【特典(2018年度)】
FUJIFILM AWARD受賞者には賞品
【応募費用(2018年度)】
・25,000円 (2名のレビューセッション、20分ずつ)
・35,000円 (5名のレビューセッション、20分ずつ)
【レビュアー(2018年度)】
サイモン・ベイカー(Tate Modern写真部門キュレーター)/パスカル・ボース(美術批評家・フランス国立造形芸術センター写真部門キュレーター)/竹内万里子(写真評論家・キュレーター・京都造芸大学准教授)など
昨年、上野公園とその周辺エリアを舞台に開催された屋外文化イベント「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」の一環として開催されたポートフォリオレビュー。昨年のレビュアーはすべて海外のキュレーター、フォトフェスティバルディレクター、雑誌社・出版社。事前審査はなく、写真展および出版経験などがあり、海外のマーケットに対してプレゼンテーションする準備が出来ている作家が参加対象となる。
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【応募資格】
・写真表現を志す写真家
・写真展および出版経験などがあり、海外のマーケットに対してプレゼンテーションする準備が出来ている作家
【応募費用(2017年度)】
25,000円 (3名のレビューセッション、20分ずつ)
【レビュアー(2017年度)】
サム・バージレー(「Photoville」ディレクター)/フェデリカ・チオチェッティ(インデペンデントキュレーター)/マーク・フューステル(写真評論家)/ニコラス・ハノースキー(写真家/写真編集者)ほか
2015年の東京国際写真祭での様子
▼ワークショップ
毎年夏、北ヨーロッパのラトビア共和国にて行われる8日間の写真プログラム。2006年から写真家、写真を扱うアーティスト、写真やアートを学ぶ学生を対象に、写真のマスタークラスを提供してきた。プログラムには国際的に活躍する写真家や専門家によるアーティストトーク、ポートフォリオレビュー、参加者によるグループ展などが含まれる。また海外から参加しやすいように、今年度からはISSP参加者のための寮を用意している。参加者はポートフォリオ審査で決定される。過去には、ジム・ゴールドバーグ、ロジャー・バレン、トッド・ハイドなど、世界的に活躍する写真家が講師に招かれている。
【応募資格】
・過去にひとつ以上の長期間に渡る写真プロジェクトを行っていること
・英語で会話ができること
・18歳以上であること
【応募作品】
近年のプロジェクトを含むポートフォリオ
【応募スケジュール(2018年)】
3月下旬
【会期】
7月~8月上旬
【応募費用(2018年度)】
700ユーロ(宿泊費、食事代込み。旅費は含まれない)
【講師(2018年度)】
ジェイソン・フルフォード(写真家)/リサ・バーナード(写真家)/後藤由美(Reminders Photography Strongholdキュレーター)&ヤン・ラッセル(写真家)ほか
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。