16 September 2022

IMA next #036 審査員 エリック・ケッセルス、
テーマ「MISTAKE」にまつわるQ&A

16 September 2022

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IMA next #036 審査員 エリック・ケッセルス、テーマ「MISTAKE」にまつわるQ&A | エリック・ケッセルス

毎月IMAが開催するオンライン写真コンテスト「IMA next」では、毎回異なるテーマを掲げ、写真家やキュレーター、編集者などがゲスト審査員となり優れた作品を選出する。9月26日まで応募受付中のコンテストのテーマは「MISTAKE」。 クリエイティブディレクター、キュレーター、編集者、アーティストとして幅広く活動する鬼才、エリック・ケッセルスに、今回のテーマに込めた思いや、泉のように次々にアイデアが湧く秘訣などを尋ねてみた。

Q. 一般的に失敗とされる写真を“再利用”して作品へと昇華されていますが、あなたにとって「失敗(MISTAKE)」とは?

A. 現代社会では、「失敗(MISTAKE)」という言葉はネガティブなものとしてとらえられがちです。しかし、すべての技術装置が完璧すぎる昨今、失敗によってこれまでにない結果がもたらされることもあります。失敗とは、うまくいかないことであり、それは写真において、むしろとても重要なことです。写真は完璧なメディアですが、完璧であることは新しい作品の出発点として必ずしも良いとはいえません。失敗は、新しい何かの始まりになり得るのです。

 

Q. 今回のテーマ「MISTAKE」において、どのような作品を期待していますか?

A.「MISTAKE」は、文字通りに解釈することもできますが、比喩としても解釈できます。それは、伝統的なものを壊し、新しい何かに挑戦することです。自身の写真で、あなた自身を驚かせてください。間違えることをを恐れないで!

MISTAKE


Q. 蚤の市やインターネットなどで見つけたファウンドフォトを使って、アートブックを作ったり、巨大インスタレーションを制作したりされています。本と展示を使ってアウトプットする際に意識していることを教えてください。

A. ファウントフォトは、私にとってストーリーを語るための素材です。それらは、かつて誰かがある特定の目的のために撮ったものですが、別の文脈を与え、本や展覧会を通して見せることにより、鑑賞者に新しい視点を与えることができると考えています。

Q. エリックさんのひらめきはどこから来るのでしょうか? インスピレーションを得るために日々何か気を付けていることはありますか?

A. ただインスピレーションを求めているだけでは、ひらめきには巡り会えない。インスピレーション源は、日常の中に潜んでいるので「アンテナ」を張り、そのチャンスを逃さないように掴んでいくだけです。また、私の場合は、常に好奇心を持ち、聞き上手になるように心がけていると、よりインスピレーションを得られることが多いですね。

Q. 現代において写真をメディアとして扱う作家に対して、アドバイスをお願いします。

A. 写真の技術よりも、個性を磨くようにしましょう。いまでは誰でも写真を撮る技術を持っていますが、写真に違いをもたらすのはあなたの個性です。

Q. 将来のプランを教えてください。

A. まだ全然わかりません!一日一日を大切に生きたいと思っています。

私たちはクリエイティブツールのほとんどが完璧に近い時代に生きています。カメラ、コンピュータ、携帯電話、アプリケーション、ナビゲーションシステムにミスはありません。社会は私たちにミスを避けるように教えますが、クリエイティブな人々や表現にとって、ミスは不可欠なものなのです。機械のエラーやちょっとした自分のミスをきっかけに、予想外の表現や発想を掴んだ作家も多いでしょう。「MISTAKE」というテーマを多義的に解釈し、クリエイティビティあふれるイメージに挑戦してみてください。常に遊び心とユニークなアイデアにあふれる今回の審査員エリック・ケッセルスが、思わず唸ってしまうような作品をお待ちしています。

エリック・ケッセルスが審査する、IMA next 第36回「MISTAKE」へのご応募お待ちしています!


タイトル

「IMA next」THEME #36 “MISTAKE”

応募期間

2022年7月25日(月)〜9月26日(月)

応募料金

2,000円/1エントリー

URL

https://ima-next.jp/entry/mistake/

エリック・ケッセルス (アーティスト、デザイナー、キュレーター)
1966年、オランダ生まれ。アーティスト、デザイナー、キュレーターで、写真に強い関心を寄せる。1996年、アムステルダムとロンドンを拠点とするコミュニケーションエージェンシー、KesselsKramer を設立。これまでにイメージを”再利用”した書籍を80冊以上刊行している。最近では、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)で展覧会を開催した。

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