音楽家・渋谷慶一郎によるポートレート連載「Humanity」がスタート!
渋谷が海外でAIについて話しているときに頻繁に耳にする言葉が、人類や人間性を意味するHumanity(ヒューマニティ)だという。コンタックスT3で白黒ポートレート(レタッチなし!)の写真日記にはぴったりだと思って付けたタイトルだそうだ。東京とパリを拠点に世界のあちこちで活動する渋谷が、その日常の中で出会う人々を「やり直しが効かないフィルムカメラ」で写し出す。T3特有のモノクロームの柔らかいイメージの中に被写体の心奥がこぼれ落ちる。
写真・文=渋谷慶一郎
森星(モデル)

会うのは3〜4回目くらいなのにこの表情はさすが。イタリアオペラを歌いたいらしい。いつか伴奏してあげよう。
杉本博司(現代美術作家)

写真の確認を編集部に取ってもらったらさすがのレスがきた。曰く「写真家が写真家もどきから奇襲作戦で撮られてしまった。唇が麻生型になっている。この直後、渋谷だと気づいて苦笑する。この人は野生動物写真家としては優秀だろう、とくにメスの習性には鋭いが、オスは今ひとつだ」。僕も杉本さんを見習って永遠のオスでいよう。
石上純也(建築家)

日本にいるとき、一番よく会う男友達。深夜2時を回った頃、お互い目を瞑って話している。彼のせいで酒量が増えた。
古市憲寿(社会学者)

僕と同様に誤解されやすい(いや誤解じゃない?)キャラだけど本当は丁寧で優しい。群れないところにもシンパシー。
吉井仁実(公益財団法人清春芸術村理事長、アートディレクター)

吉井さんの号令でアーティストやクリエーターと飲みに行く機会が増えた。日本に帰ってくる楽しみをつくってくれる人なんだけど、この人も誤解されやすい。
渋谷慶一郎(しぶや・けいいちろう)
音楽家。1973年東京生まれ。東京藝術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAK設立。先鋭的な電子音楽作品からピアノソロ、オペラ、映画音楽、サウンド・インスタレーションまで、幅広い領域で活動を行う。東京とパリを拠点に国内外で作品を発表し、人間とテクノロジー、生と死の境界領域を作品を通して問いかけている。
http://atak.jp/
