Alec soth

注目作家の作品を毎日配信!第109弾はアレック・ソス

「Sleeping by the Mississippi」(1999 – 2002)
アメリカの「サードコースト」と呼ばれる、北はミネソタ州から南はルイジアナ州まで続くミシシッピ川流域に沿った旅の過程で、ひとつのイメージから着想を得て、次のイメージへつなげていくという方法で撮影が行われた。大西洋単独無着陸飛行に初めて成功したチャールズ・リンドバーグのベッドの次には、チャールズという男がふたつの模型飛行機を掲げている姿というように、その地に暮らす人々や彼らの痕跡がとらえられている。

「Niagara」(2004 – 2005)
約2年間にわたって、国境に位置するナイアガラの滝のアメリカ側とカナダ側の両サイドを回り、新婚夫婦やカップルのヌード、モーテル、ウェディングドレス、質屋に並ぶ結婚指輪、被写体が書いたラブレターや失恋の日記などを写真に収めたシリーズ。前作のミシシッピ川同様に、滝そのものはメタファーにすぎず、アメリカ人にとってのハネムーンの聖地で、欲望や絶望といった人間の内面、地方都市の経済的衰退やそこに漂う不穏な空気までもを描き出した。

「Broken Manual」(2006 – 2008)
長い期間を費やし、現代の資本主義社会から逃れ、アメリカの僻地で隠遁生活を送る人々を追った大作。さまざまな理由でドロップアウトした被写体の写真と共に、ドローイングや、ソスがレスター・B・モリソンという架空のライターとして書いたテキストなどを用いて、世の中から隔離された場所で生きていくための心構えや方法をまとめ、フィクションの要素も取り入れた。

「Songbook」(2012 – 2014)
ニューヨークからシリコンバレーまでを横断しながら、いくつもの集会、ダンスパーティー、フェスティバルに足を運び、地域社会に集う人々の生活を記録した。それらの写真とライターであるブラッド・ゼラーのテキストをエリアごとにまとめ、自身の出版レーベル、Little Brown Mushroomからタブロイドシリーズ『LBM Dispatch』として刊行。その後、写真のみで再編集した『Songbook』は、人間が自身のルーツとのつながりを求める感情に焦点を当て、同国における個人主義と、それと相反する団結への欲求とを叙情的にとらえている。

「A Pound of Pictures」(2018 – 2021)
2018年から2021年にかけて制作された新作を集めた、写真というメディアを称賛する意識の流れを表したシリーズ。仏像やバードウォッチャー、エイブラハム・リンカーンの胸像など幅広い被写体を、印刷表現として振り返ることで、自らの体験を留める写真的欲求を描いている。雑多にまとめられたこのシークエンスには、図像学と土産物、思い出など、わたしたちを日々取り囲むイメージの作り手が繰り返し現れている。

アレック・ソス

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