「Code Unknown」は、藤原が敬愛するミヒャエル・ハネケ監督の同名の映画から着想を得て、ベルリンの電車内で乗客の隠し撮りを行ったものです。個人を特定しづらいギリギリのラインを狙ったフレーミング、トリミングやデジタル画像処理などを用い、現代の写真家を悩ます「肖像権」という問題をクリアしようと試みた意欲作。IMA CONCEPT STOREの壁面各所を用いたインスタレーションは、藤原が制作テーマのひとつとする「写真というメディアの暴力性」を大胆かつ立体的に演出します。
「人は直に、又はメディアを通して他人を見る時、表出された外見(顔、体型、身に纏っているものや行動など)即ちさまざまな『コード』によって情報を読み取ります。私は本シリーズで、さまざまな方法を用いてこの『コード』を制限、または変換することで写真/画像上における被写体の個人性、特定性を曖昧なものにしようと考えました。顔にクローズアップした写真では顔以外の様々な要素、衣服や携帯品などをフレーミングやトリミングによって画面から排除することで個人を特定しづらくし、また衣服や携帯品にフォーカスした写真では逆に被写体の個性を浮き彫りにしています。顔と身体の一部が共に写り込んでいる写真では、部分的にデジタル加工処理を行なうことで画像上の『コード』を変換させています。」 ―藤原聡志
会期 | 2015年9月14日(月)~9月27日(日) |
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会場 | |
時間 | 12:00~22:00(土日・祝日:11:00~20:00) |
観覧料 | 無料 |
藤原聡志|Satoshi Fujiwara
兵庫県生まれ。2007年、大阪芸術大学芸術学部卒業。卒業後は東京でグラフィックデザイナーとして働くが、2012年拠点をベルリンに移し、写真家の活動を始める。2014年、Japan Photo Award 2014受賞。2015年7月にはISSEY MIYAKE MENと今回の「Code Unknown」シリーズとのコラボレーションアイテムが登場し話題を呼んだ。2015年9月、写真集『Code Unknown』がIMA Photobooksより刊行。