ありふれた日常風景を、独自の視点で絶え間なくカメラに収めていく水谷吉法。2014年から2016年にかけては、アントワープ(ibasho gallery)、北京(aura gallery)、チューリッヒ(Christophe Guye Galerie)、ロンドン(Webber Gallery)など、世界各地で個展を開催し、国内のみならず海外でも着実に評価を得ています。
作家の名を一躍世に広めた代表作『TOKYO PARROTS』の続編として、東京近郊に異常繁殖した川鵜を追った新作は、鮮やかな色彩が印象的だったこれまでの水谷作品とは一線を画し、カラーながらモノクロ写真のごとき白と黒のモノトーンの色調で表現されています。鳥の存在によって特異化した都市風景は、水谷の得意とするグラフィカルな構図によって切り取られ、遠近感覚を奪われた二次元世界へと変換されます。
東京の空に架かる電線を占拠する大群の姿はシルエットとなって、まるで譜面に並ぶ音符記号のように浮かび上がります。写真集では、その譜面のようなイメージをフランスのピアノ教則本「HANON」になぞらえました。
都市の中で大群をなす川鵜たちと周囲の環境とのつりあいが取れていない光景は、現代社会へのある種の警鐘でもある。しかし、同時に黒い鳥たちは、まるで音譜よろしく上空で美しい旋律を奏でているようにも思えるのであった。ー水谷吉法
■水谷吉法 新刊『HANON』(SIGNED)
定価:5,000円+tax
→展覧会期間中、店頭での購入に限り特別価格:4,500円+tax
造本:町口覚
発行:IMA Photobooks
ページ数:表紙4ページ+本文68ページ
判型:B4変形ソフトカバー
会期 | 2016年7月29日(金)~9月24日(土) |
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会場 | |
時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日月曜・祝日 |
観覧料 | 無料 |
イベント | オープニングレセプション(ブックサイニングあり) |