デ・ミデルは、2011年に自主制作した写真集『The Afronauts』が世界中で話題を呼び、2013年にはドイチェ・ベルゼ写真賞にノミネートされ、いまもっとも注目される写真家の一人です。彼女の作品の特徴は、ドキュメンタリーとフィクションの間をつなぐ独自の着眼点と綿密に作り込まれた幻想的なイメージにあります。新作「This is what hatred did」は、エイモス・チュツオーラによる幻想小説『My LIfe in the Bush of Ghosts』(邦題:ブッシュ・オブ・ゴースツ)をもとにした意欲作です。アフリカを舞台とした『ブッシュ・オブ・ゴースツ』は、兵士たちの攻撃を受けた村を逃げ出し、ゴーストでいっぱいのブッシュ(薮)に迷い込んだ少年の物語。少年は森で30年もの間過ごしながらも、故郷に帰ろうとします。主人公は何度も生死を繰り返し、牛、馬やその他の動物に変身し、金銀ブロンズや蛇、カタツムリを食べながらゴーストがいっぱいの不思議なブッシュを生き続けます。
デ・ミデルは、この幻想的なストーリーを写真で表現するためにドローイングを描き、実現するための場所としてラゴスのスラム街であるマココを選びました。「This is what hatred did」では物語をベースにしながらも、フォトジャーナリストとしてマココという場所をドキュメントしています。 また定評のある写真集の独創性のみならず、大胆なアイデアを活かした展示もデ・ミデルの大きな魅力のひとつです。本展では、『ブッシュ・オブ・ゴースツ』の森に迷い込んだようなインスタレーションをお楽しみください。
会期 | 2015年9月27日(日)~11月8日(日) |
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会場 | |
時間 | 12:00~22:00(土日・祝日:11:00~20:00) |
観覧料 | 無料 |