環境問題は待ったなしといわれて久しいが、その緊急性は先進国、開発途上国を問わず、我々人類は、地球というグラウンドから退場のレッドカードを突きつけられる可能性が高まっている。この現状を変えようと、すでにアクションを始めている写真家たちは少なくない。どんなに言葉を尽くしても伝わらないことを、一枚の写真が雄弁に語ることがあることを知っているからだ。彼らはドキュメンタリーの手法に限らず、さまざまなアプローチを駆使し、豊かな写真表現で声を上げている。アートは温暖化を阻止することも、海のゴミを除去することもできないが、人の意識を変え、行動させる力を備えていることを、ここに紹介する写真から感じてほしい。
PRICE:3,300円(税込)
Contents
REPOSSI / ROBERT MAPPLETHORPE COLLECTION
時代を超え、二人の美学が共鳴し生まれたジュエリー
リアルとバーチャルで広がるアートフォト体験の可能性
自然と環境をめぐる写真家の声
Terri Weifenbach テリ・ワイフェンバック
Cristina De Middel & Bruno Morais クリスティーナ・デ・ミデル & ブルーノ・モライス
Hashem Shakeri ハシェム・シャケリ
Mandy Barker マンディ・バーカー
Maria Gruzdeva マリア・グルズデヴァ
Mark Dorf マーク・ドルフ
Katrin Koenning カトリン・コーニング
Gentaro Ishizuka 石塚元太良
INTERVIEW_1
クリスティーナ・デ・ミデル & ブルーノ・モライス
アフリカを舞台に、現代社会の過剰さを批評的に写し出す
インタヴュー・文=IMA
INTERVIEW_2
マンディ・バーカー
海を救うためのメッセージ
文=マーク・フューステル
ESSAY_1
私たちの地球、私たち自身のこと
文=ジョアナ・クレスウェル
ESSAY_2
溶けゆく氷のグラデーション――人新世における写真表現
文=黒沢聖覇
地域密着型プロジェクトを通して考える、エコロジカルな写真の未来
メリデル・ルベンスタイン/ヤン・グロス、アルギーネ・エスカンドン/チャーリー・エングマン/ハンナ・フレッチャー
写真賞「プリピクテ」が目指すサスティナビリティ
イザベル・ヴォン・リッベントロップ インタヴュー
インタヴュー・文=小高美穂
過去の受賞作を通して振り返るプリピクテの変遷
ベノー・アキン/ナダフ・カンダー/ミッチ・エプスタイン/ルック・ドラエ/ミヒャエル・シュミット/ヴァレリー・ベラン/リチャード・モス/ジョアナ・ショウマリ/サリー・マン
私たちが難破船で失ったもの――東南アジアの作家たちによる多角的な自然の考察
文=コン・イェン・リン
チョウ・アンド・リン/ロバート・ザオ・レンフィ/ソン・ニアン・アン/ミティ・ルアンクリタヤー/アンキ・プルバンドノ/ワウィ・ナバローザ/シュエ・ウィッ・モン
誰も見たことのないカリフォルニアの風景
文=レスリー・A・マーティン
カロリーナ・カーリック/メルセデス・ドラーム/タラ・クラジュナック/ディオンヌ・リー/アスペン・メイズ
写真と絵画――セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
アーティゾン美術館ジャム・セッションに寄せて
対談 柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画の往還、始まりとしてのセザンヌ
文=若山満大
ゲルハルト・リヒター
写真とは何か? 絵画とは何か?
桝田倫広インタヴュー
インタヴュー・文=IMA
Post-Painting 藤原聡志
KYOTOGRAPHIE 2022
10/10 Celebrating Contemporary Japanese Women
Photographers Supported by KERING’S WOMEN IN MOTION
いま、女性写真家たちの視線の先にあるもの
清水はるみ/岩根愛/岡部桃/細倉真弓/稲岡亜里子/地蔵ゆかり/林典子/鈴木麻弓/殿村任香/𠮷田多麻希
IMA next “OPEN CALL” GRAND PRIX 余宮飛翔
IMA PHOTOBOOKS
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Selected Articles
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自然と環境をめぐる写真家の声
いま地球規模での課題となっている環境について、写真家たちは何を感じ、表現しているのだろうか。特集ではテリ・ワイフェンバック、クリスティーナ・デ・ミデル & ブルーノ・モライス、マンディ・バーカー、マリア・グルズデヴァ、石塚元太良ら、8組の作品を紹介する。
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地域密着型プロジェクトを通して考える、エコロジカルな写真の未来
持続可能な世界を目指す現代社会において、写真には何ができるのだろうか?現地コミュニティに根差して環境問題と向き合う写真家たちによる、イラン、ペルー、ガーナ、イギリスの4つのプロジェクトを紹介する。
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写真と絵画――セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策 アーティゾン美術館ジャム・セッションに寄せて
東京・京橋のアーティゾン美術館の「写真と絵画――セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」展は、写真と絵画の関係に光を当てた意欲的な展覧会。絵画への造詣が深く、長年、関心の対象とし続けてきた両氏がそれぞれに初期作品から新作までを壮観した本展を軸に、制作の歩みと絵画と写真への思いについて対話した。
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ゲルハルト・リヒター
写真とは何か? 絵画とは何か?絵画には何ができるのか――そう問い続け、今年90歳を迎えたゲルハルト・リヒター。現代最高峰ともいわれる画家は、写真と絵画の間を往来しながら、どのように歩んできたのか。日本での16年ぶりの大規模個展をきっかけに、東京国立近代美術館主任研究員・桝田倫広がリヒターの画業の解釈を新たに解き明かす。