IMA 2023 Autumn/Winter Vol.40

特集:ホンマタカシの現在地

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ホンマタカシの写真は、1990年代からずっと私たちの身近に存在している。スクラップ・アンド・ビルドを繰り返す東京のまち、押し寄せては引き返す海の波、森の中に生えるキノコ、どれも一見いつも変わらないようで、実は常に変化しているものに目を向ける。

彼は一回の撮影で、数回しかシャッターを押さない。彼は、自分の写真がメディアによって変わるのをよしとする。彼は平気で嘘をつく。写真の嘘が真実に見えることを楽しむ。ホンマの写真は常に流れているのだ。「回顧とか総括みたいなの、やなんだよね」。権威的な予定調和を厭う写真家のそんな言葉から始まったこの特集は、ここ数年の作品と日記と他者との対話、そして他者からの言葉をバラバラに組み合わせた。近づいたと思ったら遠ざかる。そんな存在の“いま”を掴もうとしたらスクラップブックのような1冊になった。

PRICE:3,300円(税込)

Contents

ホンマタカシの現在地
A MIX OF RECENT WORKS

対談アリ・マルコポロス

ESSAY
フレームについての覚え書き、ホンマタカシとの会話を終えて
文=アリ・マルコポロス

対談セシリー・バンセン

グイド・グイディ

『かつては岸』ポール・ユーン

対談長島有里枝

ESSAY
磯崎新の視点から見る東京のいま
文=羽藤英二

エド・テンプルトン

なぜ写真家以外の写真が好きなのか?

NAZE

ESSAY
その森の子供
文=フランチェスコ・ザノット

ESSAY
厳密に退屈――ホンマタカシのファッションの写真について
文=村上由鶴

対談マイケル・マック

ミヤギフトシ

ロバート・アダムス

鈴木貴徳

ESSAY
ホンマタカシの写真と空間について
文=大西麻貴

対談アイヴァン・ヴァルタニアン

ESSAY
ほんまさんへ らいきより
文=靈樹

ESSAY
千葉市憂愁
文=レスリー・A・マーティン

佐内正史

カセットテープ

ジャック・デイ

ハンナ・ムーン

ESSAY
目に写るものが写真に写る
文=ジョアンナ・ボラジ

尾形愛

展示室模型

即興(Fマイナー)

対談朝吹真理子

台風とoptimistic

Richter Raum
ゲルハルト・リヒターと対話する部屋
文=林 寿美

大辻清司 眼差しのその先
文=小平雅尋

IMA next
グランプリ:クレア・スンホ・リー
ショートリスト:三保谷将史/高橋 勝/リ・アイシャオ/辻 凪彩/アントン・クーンハックル

ダンスを愛するヴァン クリーフ&アーペルによる振付芸術への取り組み
アートブックを通して耳を傾ける、GUCCIの芸術との対話
クリエイティブな交流を祝福する「ロレックス・アート・フェスティバル」が開催!
ラルフ・ローレン ホーム誕生40年 愛と美が詰まった初めてのビジュアルブック
セリーヌ表参道に込められたアートへの熱い思い

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Selected Articles

  • ホンマタカシの近作 A Mix of Recent Works

    ホンマタカシの近作 A Mix of Recent Works

    今年刊行された写真集『Thirty-Six Views of Mount Fuj』(MACK)と『TOKYO OLYMPIA』(Nieves)からピックアップした写真に加えて、コロナ禍以降に海外のファッション誌のために撮り下ろした写真をミックスしながら、近年のホンマタカシを形作る作品を41ページにわたって掲載する。

  • 日記、対談、エッセイ

    日記、対談、エッセイ

    アリ・マルコポロスや長島有里枝、朝吹真理子、セシリー・バンセンとの対話や、最近気になるアーティストや写真集、小説などが、○月○日からはじまるホンマの(嘘)日記の中に綴られた。そのほか、カナダ建築センターのディレクターであるジョバンナ・ボラジや研究者の村上由鶴らがそれぞれの視点でホンマ作品をひもといたエッセイも収録。

  • 大辻清司 眼差しのその先

    大辻清司 眼差しのその先

    同時代に生きた芸術家たちと交流を持ち、教育者として多くの後進を育てた写真家の大辻清司は日本写真に多大な影響を与えてきた。没後進められてきたアーカイブ作業によって、彼の未公開の写真に出会う機会も生まれている。生誕100年となるいま、個展はたった一度だけという写真家としては稀有なその生涯を辿りながら、晩年交流のあった写真家、小平雅尋が大辻の人物像に迫る。

  • IMA next “OPEN CALL”

    IMA next “OPEN CALL”

    オンライン上で優れた才能を見つけるIMA next。すでに計46回を数え、さまざまな写真家が審査員を務め、各回のテーマにふさわしい作品が選ばれてきた。その中から、IMA編集部が審査をした「OPEN CALL」の今年の受賞者を誌面でも紹介。

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