鷲尾和彦の6年ぶり新作写真集『Station』刊行を記念して、文筆家・大竹昭子とのトークイベントが、7月10日(金)に本屋B&Bから配信限定で開催される。
「2015年9月9日、オーストリア・ウイーン西駅。欧州から日本への帰途にあった私は、空港へ向かうバスに乗り換えるために降りた駅のホームで、あふれんばかりに押し寄せる人の波に突如としてのみ込まれた」-鷲尾が本作でとらえたのは、自国を逃れてヨーロッパへと向かう、いわゆる「難民」と呼ばれる中東やアジアの人々。不安や希望を抱えながら「移動」を続ける一人一人の表情に表れる人生に思いを馳せるうち、読者は自らの人生を重ね合わせていく。
新型コロナウイルスによるパンデミックが発生し、本書の制作は中断を余儀なくされが、苦悩の日々の中で、この本の新たな意義がはっきりと見えてきた。そのことを強く感じたひとつが、大竹が本書に寄せたコメントだった。
「コロナ禍にあるいま、これらの写真は以前とはまったく違って見えてくる。答えのある生きかたに慣れすぎて、それを奪われた状態を経験したことのない自分たちのいまを重ねて見ずにはいられないのだ。たしかに彼らは究極の宙吊り状態にあるが、もしかしたら人間は本来こうやって生きてきたのではないか」
また、撮影された2015年から今日までの5年間、鷲尾は国内外で展示を繰り返しながら、本シリーズの意味について考え続けてきた。今回の写真集の制作過程でも、多くの新たな発見があったという。
本トークでは、『Station』がいま私たちに伝えるものとは何か、いま生まれつつある新しい文脈について、そして撮影の経緯や写真集ができるまでのエピソードを交え、写真集という形で写真を届けることの今日的な意味について、二人が存分に語り合う。
タイトル | 「『Station』(夕書房)刊行記念 鷲尾和彦×大竹昭子『駅、移動、写真。』」 |
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期間 | 2020年7月10日(金) |
会場 | 本屋B&B(東京都) |
時間 | 20:00~22:00(19:30開場) |
入場料 | 【配信参加】1,500円+tax【書籍(サインあり)つき配信参加】1,500円+tax&『Station』3,600円+tax【書籍(サインなし)つき配信参加】1,500円+tax&『Station』3,600円+tax |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。