六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムが、5月11日(土)から宮本隆司「建築の黙示録」展を開催する。
同ギャラリーで宮本の個展を行うのは2度目。今回は1989年に第14回木村伊兵衛写真賞を受賞した宮本の代表的なシリーズのひとつである「建築の黙示録」より、約20点が展示される。
1977年に初個展を開催した後、建築雑誌やグラフ誌での仕事を続けながら、写真家として自身の方向性を模索していた宮本。1983年、中野刑務所解体現場に衝撃を受け、以後半年にわたり解体過程を撮影した。
内と外の境界が消滅し変質した空間に漏れ入る光の痕跡を像として定着させた作品は、建物が使用目的や意味体系から解放され、それ自身として存在している様を捉えている。雑誌の取材で赴いたドイツにて遭遇したベルリン大劇場の解体や、壊すことを前提に作られた建物としてのつくば科学万博パヴィリオン、劇場や競馬場、映画館の解体――「『もの』としての建築の本質」を探求し、変貌する都市と建築を凝視した作品群は、まず1983年から86年の4年間に撮影された作品をまとめる形で86年に個展「建築の黙示録」で発表され、その後88年に同名の作品集として出版された。
都市のモダニティの構成要素であった建築物の終焉を撮影するという行為の批評性と、喪失と再生にまつわる物語を語るよりはむしろ解体による空間の変質そのものを正面から捉えた作品群は大きな反響を呼び、89年に展示及び出版した「九龍城砦」シリーズと合わせて木村伊兵衛写真賞を受賞している。
また恵比寿・東京都写真美術館では、宮本の展覧会「いまだ見えざるところ」が同時期に開催される予定だ。
タイトル | 「建築の黙示録」 |
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会期 | 2019年5月11日(土)~6月15日(土) |
会場 | |
時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 日月曜、祝日 |
URL |
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