写真と言葉を組み合わせ、架空の世界を構築し、表現することにチャレンジする清水裕貴の個展が麻布・PGIにて初開催。また、nap galleryでも清水の個展「Birthday beach」が10月16日(水)より同時開催される。
写真家であり、小説家でもある清水は、場所や土地固有の歴史や伝承のリサーチをベースに、フィクションの構造を用い、写真と言葉を組み合わせて表現している。
今回PGIで展示されるのは「Empty park」。作者が子どもの頃に住んでいた街の、大きな公園にまつわる作品。公園の奥の、背の高い葦や大きな木々に阻まれ誰も近づかない場所。「知らない人にはついて行ってはダメ」「『へんなところ』へ行ってはいけません」という近しい人からの言葉が脳裏をよぎるけれども、密やかな憧れと怖さの入り混じった不思議な感情をいだく、誰しもが記憶のどこかに残している場所。そういう不思議な場所が被写体となっている。
清水が約20年ぶりにその場所に足を運び、市役所の都市計画課や資料館で、この土地の歴史と成り立ちの聞き取りを行ったところ、この場所が大雨の際の調整池として機能していることが判明する。しかしそこは、地図で確認すると草地に細い川が流れているらしいが、目で確認することはできない。
子どもの頃の「へんなところ」は、「見えない水」と「古い土地」、つまり写真には写らない風景として、写真家である清水をとらえて離さない新たな魅力を持って目前に広がった。写真に写った「見えない水」と、「古い土地」を、清水の紡ぐ言葉に案内され、ときに自らの物語として、その作品世界を追体験できるだろう。
なお、会期中11月8日(金)には美術評論家/DIC川村記念美術館学芸員・光田由里を招き、トークイベントが行われる。
タイトル | 「Empty park」 |
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会期 | 2019年10月24日(木)~12月6日(金) |
会場 | PGI(東京都) |
時間 | 11:00〜19:00(土曜は18:00まで) |
休館日 | 日曜、祝日 |
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