手焼きのプリントの繊細な表情、
幸本紗奈「other mementos」展

21 August 2020

AREA

東京都

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other mementos

幸本紗奈「other mementos」展が、8月28日(金)から渋谷・東塔堂で開催される。

幸本は1990年に広島に生まれ、現在は東京で活動する写真家。 第19回写真「1_WALL」のファイナリストに選ばれるなど、 これからの活躍が期待される若手写真家の一人。

本展では、初の写真集『other mementos』(Baci刊)に収録した作品の手焼きのプリントおよそ15点を展示。幸本の写真の特徴は、その制作過程にある。気になる対象や感覚に対して反射的にシャッターを切り、多様なイメージを集めた後に、暗室に入ってじっくりとネガを見直し、その時点で再び心惹かれるイメージだけを時間をかけてプリントしていく。サイズ、色、濃度を決めて印画紙に焼き付け、それを薬液に通して定着させる。この工程を試行錯誤しつつ、ひたすら繰り返すことで、撮影した物事やそのときに感じた感覚と深く向き合っていく。 数年前のネガを掘り起こしてイメージを拾い上げることもあれば、数カ月前に仕上げたプリントを、色とサイズを変えて再び、焼き直すこともあり、前進と後退を繰り返しているかのようなこの作業を本人は「ゆっくりとしか物事を考えられないので」としつつも「時間の流れを俯瞰するため」にしているのだと話す。

そうした過程から生まれる幸本の写真には、美しさの“予感”が漂っている。現代の社会が求める「明快なコンセプト」や「印象に残るイメージ」とは逆の、ぼんやりと、曖昧で、価値づけしづらい美しさ。ゆえに、観る人の視点は自由となり、一枚の写真のあらゆる場所に、自分にとっての美しさを見出せるのではないだろうか。

タイトル

other mementos

会期

2019年8月28日(金)~9月12日(土)

会場

東塔堂 | Totodo(東京都)

時間

12:00~18:00

URL

https://totodo.jp/hpgen/HPB/entries/51.html