森山大道の新宿の写真がさまざまなメディアへと拡張する「SHINJUKU_RESOLUTION」

新宿伊勢丹周辺を取り巻く歴史あるお店や、エリアにゆかりのあるアーティストとコラボレーションし、新宿にまつわる限定アイテムと、森山大道とアートディレクター・YOSHIROTTENが手がけた空間を楽しめるイベント「SHINJUKU_RESOLUTION」展が、伊勢丹新宿店本館で9月23日（水）まで開催中だ。

「新宿」という街は、1923年の関東大震災時に地盤が強くほとんど影響を受けなかったため、駅周辺に交通が集中し発展した歴史を持つ。戦後の闇市から商店街化、1960年代商業の急激な発展により現在の新宿のベースができあがったとされる。高度経済成長期に西新宿側は再開発ラッシュとなり、1991年の都庁移転後も街は変容を続けている。複雑なつぎはぎによってできた街はさまざまな顔を併せ持ち、褪せない魅力を醸し続けている。新宿を訪れる人々そのものが街の景色を構成する新宿の有り様と、新宿へ向けられた眼差しを拡大、縮小しながら、本イベントでは気鋭のクリエーターたちと新しい新宿をとらえ直す。

メインビジュアルと空間デザインを構成するのは、森山大道とYOSHIROTTENが率いるYAR。森山大道によって切り取られた新宿の断片のレゾリューション（解像度）を行き来しながら、YOSHIROTTENがその中に新しいイメージを見出し、街全体の生々しい息吹とリアリティを視る者に感じさせる。また、森山大道の新宿の街を撮りためた写真集『ニュー新宿』からの抜粋した作品を中心に、5クリエーターが限定アイテム14種類を販売。イベント会期中は、森山大道によるゼラチンシルバープリントの受注販売も行う。