川田喜久治「エンドレス マップ」展が1月20日(水)から東麻布・PGIにて開催される。
川田は1956年の『週刊新潮』創刊からグラビア撮影を担当し、その後フリーランスとして60年以上写真を撮り続けている。メタファーに満ちた作品「地図」(1965年)や、天体気象現象と地上の出来事を混成した黙示録的な作品「ラスト・コスモロジー」(1996年)、都市に現れる現象をテーマにした「Last Things」(2016年)など、常に意欲的な作品をいまなお発表し続け、日本のみならず世界でも高い評価を受ける日本を代表する写真家の一人だ。
1965年に刊行されたデビュー写真集『地図』はセンセーショナルな驚きとともに、川田の評価を決定的なものに。原爆ドームの天井や壁のシミと、戦後20年の復興、経済成長を象徴する「都市で拾い集められた時代の」オブジェを繰り返し見せることで、敗戦という歴史の記憶を記号化した。写真集はその後、2005年に月曜社とナツラエリプレス(アメリカ)から新装本として、2014年にはアキオナガサワパブリッシングより復刻版が出版されている。一方プリントとしての「地図」は、写真集に先立って1961年に富士フォトサロンで、1974年には「New Japanese Photography」展(ニューヨーク近代美術館)で展示され、その後もさまざまな美術館やギャラリーでセレクションを変え展示されたが、2014年にはロンドンのテート・モダンにてプラチナパラジウムプリントによる屏風や、銀塩の大型作品とともに完全版が展示された。
1998年からインクジェットによる作品制作を続けているが、昨年より「地図」を和紙にプリントすることを始め、自身の処女作への終わりなき探究心は驚くべきものがある。過去のトリミングを放棄し、つまびらかになったイメージ。デジタルにより銀塩では再現し得なかった情報が露わになっている。本展では、これらのプリントから約30点が展示される。
タイトル | 「エンドレス マップ」 |
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会期 | 2021年1月20日(水)〜 |
会場 | PGI(東京都) |
時間 | 11:00〜18:00 |
定休日 | 日曜・祝日 |
URL |
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