波多野祐貴「undercurrent」展が、6月19日(土)よりgallery 176にて開催される。
昨年からある小さな池のことが気になるようになり、たびたび歩いて訪れた。郊外にありがちな住宅街を通り抜け、くたびれた団地を横目に坂道を登ると、山の入口に差し掛かる。急な階段を登りきると目の前に千年以上続く神社が現れ、さらに進んだ境内の奥の仄暗く湿った場所に、ようやくその池はある。隠されるために存在しているような池は、誰かの秘密の場所のようにも思えた。
木々の葉から零れ落ちる光の密度。昨日降った雨が川に還る勢い。光を吸収する月蝕の時。一つとして同じ条件のない空間のもとで、池は訪れるたびに姿を変える。その総てや、現象を剥いだ実体を、写真機は捉えないと分かっていながら自らイメージに翻弄されたその過程を展示でなぞらえてみる。見ることばかりに囚われた撮影者が、同時に見られる存在でもあることに気づくとき、両者のあいだに横たわる境界への問いヘ繋がっていく。-ステートメント
タイトル | 「undercurrent」 |
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会期 | 2021年6月19日(土)~ |
会場 | gallery 176(大阪府) |
時間 | 13:00〜19:00(7月4日のみ16:00開廊) |
休廊日 | 6月21日(月)~6月25日(金) |
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