ポーラ ミュージアム アネックス(東京・中央区銀座)で、上村洋一+エレナ・トゥタッチコワ「Land and Beyond|大地の声をたどる」が8月29日(日)まで開催中。
エレナ・トゥタッチコワは、2014年に知床と出会って以来、何度もこの土地に赴き滞在する中で、歩くことと思考することとの関係性を醸成させてきた。現地では峰浜や朱円地区で地元の人々と過ごし、周辺の浜辺や道、古道や森を繰り返し歩きながら、自然や人々の物語を紡ぎ、写真、映像、ドローイング、テキストなど多様なメディアを通して表現した。知床の人々が移動しながら、植物を通して土地と関わってきた物を描いた新作映像「たねと大潮」(33分)は、見所のひとつである。
上村洋一は、フィールド・レコーディングを通じて海の波音や光、匂いに向き合う中で、世界が常に変化し流動していることを身体で感じてきた。かねてから流氷に惹かれ、2019年冬にフィールド・レコーディングのため知床を訪れる。周囲に広がる自然、そして遠方から訪れる流氷に対して、じっと知覚を研ぎ澄ましながら収録したサウンドを軸に、ドローイングやインスタレーションなども展示する。
本展は、知床や北方圏のリサーチも展開する四方幸子をゲストキュレーターに迎え、三者の現地滞在を含む対話によって生み出された。知床という土地(Land)を起点としたそれぞれの世界観を交差させた展示空間は、観る者に固定概念を越えた土地と人との関係性(Beyond)を考えさせるだろう。
タイトル | 「Land and Beyond|大地の声をたどる」 |
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会期 | 2021年7月31日(水)~8月29日(日) |
会場 | ポーラ ミュージアム アネックス(東京都) |
時間 | 11:00~19:00(入館は閉館の30分前まで) |
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