藤岡亜弥写真展「BangBang」が、コミュニケーションギャラリーふげん社で5月14日(日)まで開催中。
藤岡は1972年広島呉市生まれ、現在広島在住の写真家。被爆地としての歴史と現在がゆるやかに繋がる広島をとらえ、木村伊兵衛写真賞と林忠彦賞をダブル受賞した『川はゆく』(赤々舎、2017)や、家族という奇妙な存在を故郷の風景とともに写した『私は眠らない』(同上、2009)などの作品で知られている。近年では、自身初の美術館での個展となる「New Stories」(入江泰吉記念奈良市写真美術館、2022)や、「花のゆくえ」(ふげん社、2021)など、これまでのスナップ写真を、現在の自分自身と対比させつつ、新たな視座で再構成し発表している。
本展では、2007年から2012年まで、藤岡がニューヨークに滞在していた期間に撮影したモノクロームのスナップから、ハーフサイズカメラで撮影されたものを中心に、未発表作を含む約30点が展示される。
文化庁新進芸術家海外派遣制度奨学生としてニューヨークに住み始めた藤岡は、周囲の個性的な面々に翻弄されながらもその都市の求心力に惹かれ、予定していた1年が過ぎた後もそこに留まり、約5年間ものあいだその街に身を浸すことになった。何者でもない作者が、街中を透明人間のように彷徨いながら撮影した写真は、不安定な構図で切り取られ、時にフィルム特有の失敗がイメージに揺らぎをもたらすこともある。それらのイメージ群は、大都会の奔流に身を委ねながら漂う個人の心情を、普遍的にとらえているのではないだろうか。
「BangBang(バンバン)」と、子どもが銃を撃ち合う真似をして戯れるような、滑稽さと不穏さ、そして誰しもが経験するであろう、自身のモラトリアムな季節を振り返る時の切なさや痛みを伴う本作を、ぜひ会場で観てほしい。
タイトル | 「BangBang」 |
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日程 | 2023年4月13日(木)〜5月14日(日) |
会場 | コミュニケーションギャラリーふげん社(東京都) |
時間 | 12:00〜19:00(土日は18:00まで) |
休廊日 | 月曜、4月29日(土)〜5月4日(木) |
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