東京・麹町の東條會舘写真研究所にて9月27日より北野謙展「時間の部屋」が開催される。
【ステートメント】
一般に写真行為は、写真を「写す」や「撮る」という言葉で語られます。しかし本音を言うと、私はどちらもしっくり来ません。私が一番ピッタリするのは「現れる」です。〈する〉でも〈される〉でもない、過程の中の行為。自分のコントロールする範囲を超えた領域にアクセスすることは、写真の特徴の一つだと思っています。
東條會舘ではこれまで膨大な数の婚礼や家族写真のほか、三島由紀夫の楯の会、昭和天皇、エリザベス女王の写真などの歴史的な写真が「現れ」てきました。写真はたとえ写した人が亡くなった後も、写された人や建物がなくなった後も残ります。つまりあらゆる写真はやがて遺影になるのです。
別の言い方をすると、写真は未来に繋がっていると言えます。
私たちは写真を通して、未来の他者とコミュニケーションしているのかもしれません。
今回の展示では、建物の各フロアにインスタレーションした「未来の部屋」「写真の部屋」「過去の部屋」「現在の部屋」そして「百年後の部屋」という、時間や記憶にまつわる体験的な展示を巡っていただきます。
相変わらず「今、ここ、私」が過剰に強調され続ける時代です。
しかし思い切って、「今」や「ここ」や「私」の1点に焦点を絞るの「じゃない側」を見てみる。茫漠とした、アンフォーカスの向こう側の世界を、想像しながら、眺めることはできないでしょうか?
また展示に合わせて、北野と美術評論家・中尾拓哉による連続講座が開催される。展示作品を糸口に、講義と参加者による制作と対話を交えた体験的なレクチャーを実施する。
1回目:10月11日(金)講義19:00~19:50 + ガラス写真制作19:55~20:45
2回目:10月25日(金)ガラス写真制作19:00~19:50 + 講義19:55~20:45
料金11000円。peatixにて申し込み。https://peatix.com/event/4089265/view
タイトル | 北野謙展「時間の部屋」
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会期 | 2024年9月27日(金)~11月24日(日)
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時間 | 13:00~19:00
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場所 | 東條會舘写真研究所(東京都千代田区麹町1-6-12)
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休廊日 | 月~木の平日 |
料金 | 無料 |