米軍研究所で飼われていたサルの過去とは？人と動物の共生を探るドキュメンタリー展

東京・御徒町の229GALLERYにて6/12よりYile Yangの展示「Let Me Hear Your Song.」が開催される。

本作は、1968年生まれのテナガザル「アイク」の数奇な運命をたどるドキュメンタリー・エッセイ。ある有名な温泉街の民営動物園で静かに暮らすアイクの過去には、米軍の生物兵器研究所に関わる衝撃的な経歴が隠されていた。園長の一言をきっかけに、アイクの生涯と人間社会との関わりを見つめ直す旅が始まる。浮かび上がるのは、「動物と人間の関係性はどうあるべきなのか？」という根源的な問い。一頭のサルの記録であると同時に動物とともに生きる人間の記憶をたぐる物語でもある。

【ステイトメント】
ある有名な温泉街の民営動物園にいた、1968年生まれのテナガザル・アイク。驚くほど長寿のアイクは、お世辞にも広いとは言えないケージの中で、じっとこちらを見ていた。
観光客たちはアイクの前を通る。大抵の日本人観光客は、アイクの年齢に感心する一方、欧米の観光客達は、決まって眉をひそめ、哀れむ言葉を投げかけていた。
帰り際に気になって、園長にアイクの来歴を尋ねると、「アイクはね、米軍の生物兵器研究所で飼われていたんだよ」と、予想外の回答。
これが今回、アイクの数奇な運命を紐解く、最初のきっかけとなった。