写真家、津田直の新作写真集『LO』の刊行を記念した展示会がPOST(東京)にて2026年1月16日(金)〜2月15日(日)にかけて、Vague Kobe(兵庫県)にて2026年1月23日(金)〜3月9日(月)にかけて開催される。
津田は仏教の原点を自分の目でとらえるため約15年前からチベット仏教圏を訪れ、古代から続く自然と人間の関係性を切り取ってきた。『LO』の舞台は、ヒマラヤ山脈がそびえ立つネパールの奥地、ムスタン。チベット高原と地続きの文化を色濃く残し、1992年まで鎖国状態、2008年まで王国として存在していたムスタンは、現在も入域許可を必要とする地域として知られている。標高3,840mに位置する山々を歩いた津田は「地上を歩いていないような浮遊感」を覚えたという。この体験は、津田が少年時代に行っていた早朝登山とリンクした。犬を連れて実家から山へ続く道を進み、沢の音に耳を澄ませ、苔むした谷筋付近の滝の水しぶきが舞う場所で目を閉じる。自然と交差する祈りのようなその行為を千日以上続けたその後、津田はカメラに出会い、自分の目に映っている光景をレンズに置き換えるようになった。
NEUTRAL COLORSより刊行されたリソグラフ印刷の本作は、半球型のフォーマットが特徴的。「風景に四角は必要か」という問いのもと、宇宙船のキューポラ、逆さにしたバカラの杯のイメージを用いて、津田の感じた浮遊感が表現されている。POSTでの展示は、本書の制作過程で刷られた単色プリントが、一点もののユニークピースとして展示、販売される。津田の生まれ育った神戸にあるVague Kobeでは、写真作品に加えて、津田がムスタンへの旅で出会い、手に取った欠片を用いて構成したインスタレーションが行われる。
作家の少年時代の記憶とリソグラフ印刷の粒子が混じり合い、乾いたムスタンの大地に蓄積された時間の層や人々の呼吸が、澄んだ空気とともに伝わってくる。時間が経っても揺るがない芯と、体験を丁寧に抱き続ける津田のまなざしに触れてみてほしい。
| ▼ 展示情報 | |
|---|---|
| タイトル | 「Nao Tsuda / LO – Risograph Print」 |
| 会期 | 2026年1月16日(金)〜2026年2月15日(日) |
| 会場 | POST(東京都) |
| 時間 | 11:00~19:00 |
| 定休日 | 毎週月曜日 |
| URL | http://post-books.info/news/2026/1/16/exhibition-nao-tsuda-lo |
| ▼ 展示情報 | |
|---|---|
| タイトル | 「LO ー逆さまの杯と杖ー」 |
| 会期 | 2026年1月23日(金)〜3月9日(月) |
| 会場 | Vague Kobe(兵庫県) |
| 時間 | 12:00〜18:00 |
| 定休日 | 土、日曜日 |
| URL | |
| ▼ トークイベント | |
| 日時 | 2026年1月24日(土) 14:00〜15:30 トークイベント 料金:3,300円(税込/1ドリンク付き) |
| ▼ ミニレクチャー | |
| 日時 | 2026年2月7日(土) 14:00〜15:30 ミニレクチャー 料金:2,750円(税込/1ドリンク付き) |
| ▼書籍情報 | |
|---|---|
| タイトル | 『LO』 |
| 制作年 | 2025年 |
| 出版社 | NEUTRAL COLORS |
| 価格 | 通常版:13,500円+税 特装版:24,000円+税 |
| 仕様 | 通常版:W364 × H257 mm 本文写真 66P+別冊テキスト28P/リソグラフ印刷/チップボールスリーブ/32 図版/日英バイリンガル/150 部 特装版:W364 × H257 mm 本文写真 66P+別冊テキスト28P/リソグラフ印刷/和紙製カバー/カバー内側にシルクスクリーン 4枚/35 図版/日英バイリンガル/50 部 |
