11 May 2026

写真は“現象”になりうるのか、小山ひとき「KOBE ART MARCHÉ 2026」で新作を発表

11 May 2026

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兵庫県・神戸メリケンパークオリエンタルホテルで5月22日から開催されるホテル型アートフェア「KOBE ART MARCHÉ 2026」に、小山ひときが初出展する。会場となるROOM 710(天渼画廊)では、新作を含む約35点が展示販売される。

小山は、暗室でのオルタナティブ写真技法を軸に制作を続ける。フォトグラムを基盤としながら、太陽光や植物、鉱石といった自然物を介在させ、光と化学反応によって像を生成してきた。その作品は、写真を単なる記録媒体ではなく、物質と環境の相互作用によって立ち現れる「現象」として捉え直す試みといえる。

本展で中心となるのは、2026年より取り組んでいる新シリーズ「モルダンサージュ」である。銀塩写真の乳剤を溶解させ、像そのものを物理的に変容させるこの技法では、一度定着したイメージが、重力や水流といった外部環境によって再び揺らぎ始める。剥離した乳剤はヴェールのように支持体の上を漂い、像は固定された“結果”ではなく、変化し続けるプロセスとして提示される。

その一方で、「Solaris Lux」シリーズでは、太陽光によって印画紙を焼き焦がすという手法が用いられる。ネガに記録された「過去の光」と、現在の自然光が同一平面上で交差することで、時間の層が複雑に重なり合う。暗室という閉ざされた空間と、太陽光という外部のエネルギー。その往還の中で、小山は写真を静止したイメージではなく、生成と崩壊が同時進行する場として扱っている。

重要なのは、これらの作品が複製不可能なユニークピースである点だ。デジタル環境において無限複製が前提となる現代に対し、小山の作品は不可逆性と一回性を強く帯びている。それは、存在が単独では成立せず、他者や環境との関係性の中で絶えず変化し続けるという世界観とも接続している。

タイトル

KOBE ART MARCHÉ 2026

場所
神戸メリケンパークオリエンタルホテル7階(兵庫県神戸市中央区波止場町5-6)
会期

5月22日(金)~24日(日)

時間

11:00~19:00

休み

無し

料金

1500円

URL

https://art-marche.jp/ 

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