本書は、1992年にロンドンのフォトグラファーズ・ギャラリーで初開催された「NAUSEA」展の25周年を記念しMACKが刊行する、アメリカ人フォトグラファー、ロン・ジュードの作品集。出版物としても展覧会においても未発表のものが数多く収録されている。
フランスの実存主義小説家であるジャン=ポール・サルトルが1938年に著した「嘔吐」からタイトルを採った本書は、1990年から1992年の間にアメリカ、ルイジアナ州バトン・ルージュとジョージア州アトランタにある公立学校の室内を撮ったシリーズ作であり、「OTHER NATURE」「ALPINE STAR」「LICK CREEK LINE」「LAGO」といったロン・ジュード作品が生み出された25年間の制作の根幹となった一作である。
学校という制度や組織の中で学ぶことの陳腐さをテーマとし、写真における物語性の制約と、意識との接点を探るステージとして、その単調な空間や物体を本作の中に落とし込んでいる。その鋭い色彩センス、過激とも表現できるフレーミング、敢えて浅くしたフォーカスを用い、馴染みがある被写体のように見せつつ、同時に不気味で不穏な空気が蔓延する不可思議な世界を創り出している。
タイトル | 『NAUSEA』 |
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出版社 | |
価格 | 5,250円+tax |
発行年 | 2017年 |
仕様 | ハードカバー/220mm×260mm/96ページ |
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