ノルウェー人フォトグラファー、モーテン・トルゲシュードの作品集『LUMPS』がCornerkiosk pressより刊行された。
トルゲシュードは生まれ育ったノルウェー北部を拠点に作品を作り続けてきたが、そのアプローチは日本では一般的であるロマンチックな北欧のイメージとはかけ離れている。伝統的なランドスケープの描写の流れを汲みながら、写真を通じて国や地域のアイデンティティを構築することへの批判を含んでいる。
本シリーズは、通常写真では捉えることができない地面の下にあるものを映し出している。北極圏とロシアに接するノルウェーの最北部は「ハイノース」と呼ばれるが、トルゲシュードはそこで掘り起こした泥の塊を撮影。一般的に風景を写真に収める時には、その土地のアイデンティティと強固に結びついたものを被写体にすることが多いが、トルゲシュードはこれとは真逆のやり方でランドスケープと向き合う。
本書は、本来の文脈から土地の欠片を切り離す能力を持つ一方で、写真がどのようにしてひとつの土地を表現するのかを目に見える形で提示している。
タイトル | 『LUMPS』 |
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出版社 | |
価格 | 4,000円+tax |
出版年 | 2015年 |
仕様 | ハードカバー/245mm×165mm/60ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/collections/all/products/lumps-by-morten-torgersrud |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。