アメリカ人写真家、アラン・ハックの初作品集『I WALK TOWARD THE SUN WHICH IS ALWAYS GOING DOWN』は、イメージとテキストで構成されたエッセイ風の作品集。
アメリカ南西部の都市をさまよう無名の語り手であり主人公の「私」は、常に沈みゆく太陽に向かって歩き続けている。その途中で目にしたことや出会いに刺激を受けながら、作者は幅広い主題について思いを巡らせる。都市の辺縁の写真と一人称で書かれた散文的な独白が入れ替わり立ち代わり表れる中に、W.G. ゼ―バルドやアニー・ディラードなどの作家による遊歩者をテーマとした作品が引用され、文章の至るところに織り込まれた文学的かつ文化的な言及が網の目のようなネットワークを形成している。
本書はフォトグラファーの制作プロセスについてのメタフィクションであると同時に、人と特定の場所との関係性の学際的な考察でもある。作者は写真と言葉の両方につきまとう本質的な曖昧さを利用して、イメージから写真へ、写真からイメージへと流れるように行き来しながら、読む者の興味をこの2つの領域に惹きつけて離さない。
タイトル | 『I WALK TOWARD THE SUN WHICH IS ALWAYS GOING DOWN』 |
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出版社 | |
出版年 | 2019年 |
価格 | 5,500円+tax |
仕様 | ソフトカバー/170mm×200mm/144ページ |
URL | https://twelve-books.com/products/i-walk-toward-the-sun-which-is-always-going-down-by-alan-huck |
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