写真、ペインティング、ドローイングの対話によるニューヨーク年代記、ビリー・サリヴァン作品集『Still, Looking. Works 1969-2016』

1970年代初頭よりニューヨークのアンダーグラウンドシーンやアート、ファッションシーンをカメラとともに渡り歩いて撮影された写真群。

12 May 2020

Share

Still, Looking. Works 1969-2016

アメリカ人のアーティストであり写真家でもあるビリー・サリヴァンの作品集『Still, Looking. Works 1969-2016』。

1970年代初頭よりニューヨークのアンダーグラウンドシーンやアート、ファッションシーンをカメラとともに渡り歩き、撮影した写真素材をもとに油絵やパステルドローイング、スライドショーのインスタレーション作品などを発表してきたサリヴァン。被写体は友人や家族、恋人やミューズから高級娼婦までと幅広く、撮影場所もナイトクラブやアトリエ、散らかったホテルの部屋から優雅なビーチハウスまでさまざまである。

収録された写真やペインティング、ドローイングはカメラと絵筆の間で続いている対話であり、その写真は親密かつ官能的で、細部までよく観察されている。後期のペインティング作品では、40年前にカメラに収められた瞬間が時間の経過を拒み、あたかも昨日起きたばかりの出来事のように描かれている。写真と同じくその観察力は細部に至るが、強調するような効果や覗き見行為、皮肉や感傷、哀愁といった要素を用いられておらず、被写体と接する際の誠実な姿勢こそがこの作品のカギである。

それぞれの作品はコメントなしに並べられ、視覚的な自伝としてまとめられているようだが、それは同時に自由奔放なニューヨークの年代記のようにも見ることができるだろう。

タイトル

『Still, Looking. Works 1969-2016』

出版社

Edition Patrick Frey

出版年

2016年(2019年)

価格

7,800円+tax

仕様

ハードカバー/300mm×235mm/296ページ

URL

https://twelve-books.com/products/still-looking-works-1969-2016-by-billy-sullivan