結婚式で撮られなかった唯一無二の瞬間、
花井達写真集『祝！結婚した』

花井達写真集『祝！結婚した』が、8月28日（金）に赤々舎より刊行される。

大正時代以降、祝言に欧米様式を取り入れ、独自の進化を遂げた日本の結婚式。ブライダル・フォトの仕事に携わってきた本書の著者・花井達は、新郎新婦を主役として撮る一方で、式の前後や周辺にも心を寄せ、むしろ新郎新婦が見られないであろう、式の瞬間をカメラに収めてきた。

本書は、12年間にわたりさまざまな家族の結婚式の一日の瞬間を撮影した作品からセレクトされた。緊張のあまり壁に突っ伏している新郎も、孫の花嫁姿に対面するおじいちゃんも、レフ板を掲げる役を買って出るお父さんも、奇想天外なふるまいに出る子どもたちも、そして式には参列できなかった故人も、ハレの場での一生懸命な祝福の気持ちがその存在に迸っている。

家族であること、家族になること。必然であり偶然であるような関係性の貴重さ、ユーモラスさが、1枚の写真に凝縮した。本書『祝！結婚した』は、結婚式を通して人の営みを照らし出し、すべての人に重なりながら唯一無二の瞬間を贈ってくれる。