ベルリンを拠点に活動するアメリカ人アーティスト、ルイス・アルベルト・ロドリゲスの写真集『People of the Mud』は、古代から続く伝統と現代的な生活が日常的に交差するアイルランド・ウェックスフォード州のさまざまなコミュニティとのコラボレーションを通じて制作された力強いシリーズ。
元プロダンサーというバックグラウンドを持つロドリゲスの作品は、土地を耕作し文化的な遺産を維持するのに費やされてきた何世紀にも及ぶ肉体労働の持つ暗喩的な重みに敬意を表している。文化が個人を形成し、また個人によって文化が創り上げられるのと同じように、畑仕事あるいはスポーツで傷を負った腕や手のイメージは、その肉体に刻み込まれた地図のような役割を果たしている。
ロドリゲスはまた、ケルト族の伝統的な屋外スポーツ「ハーリング」の強烈な身体性にも深い感銘を受けて制作を行った。草原で行われる最もスピーディーな競技とされるハーリングの、お互いを押し合い、押しのけ、掴み合い、抱きつき、地面に押し倒し、持ち上げるといった動きを競技者がわずか数秒の間に行っているのに目をみはったロドリゲスはこうした動きを再現し、競技者を文字通り積み重ねて肉体の彫刻を作り上げている。
タイトル | 『People of the Mud』 |
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出版社 | |
出版年 | 2020年 |
価格 | 6,800円+tax |
仕様 | ハードカバー/230mm×275mm/114ページ |
URL | https://www.twelve-books.com/products/people-of-the-mud-by-luis-alberto-rodriguez |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。