2011年の初版から10年を経て、川内の代表作のひとつである『Illuminance』が蘇る。古書マーケットでも高額でしばらく入手困難だった『Illuminance』は、「照度」という意味を持つように、光という写真の命題に向き合った作品シリーズ。この世界に満ちている光と闇、そして生と死。美しさと同時に悲しさをも含有する川内倫子がとらえるそれらの断片は、時間や場所をも超えて、普遍とは何かを私たちに訴えかける。
初版の構成をそのまま再現し、オリジナルのデザインを踏襲しながら、オランダのアート・ディレクター、ハンス・グレメンによって装丁を一新し、その世界観を存分に味わえる。写真家アレック・ソスは本作を「とても精巧に作られたこのモノグラフによって、川内倫子の名前を誰もが知るようになるはずだ」と称賛している。本書では、デイビッド・チャンドラーによるテキストの再収録に加え、新たに哲学者・篠原雅武と、Apertureのクリエイティブ・ディレクターであるレスリー・A・マーティンによる論考が追加。それらが川内作品に新しい文脈と視点を与えるとともに、イメージを通して詩的で想像力にあふれる感性に再び出会うことができるだろう。
タイトル | 『Illuminance The Tenth Anniversary Edition』 |
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出版社 | |
出版年 | 2021年 |
価格 | 7,150円 |
仕様 | ハードカバー/287mm×219mm/384ページ |
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