Photobooks of the Month

書店員がピックアップする11月のおすすめ写真集【Shelf編】

プロヴォーク復刻版

東京には、個性的なセレクトが光るブックショップが数多く点在する。その中で、アートに力を入れる大型書店や個性的なアートブックやZINEを扱うインディペンデントブックショップなど、写真集を扱う4店舗の書店員が、毎月おすすめの写真集を3冊ずつピックアップ。

セレクト・文=森屋恵美(Shelfオーナー)


1968年に創刊されわずか3号で終わった伝説の同人誌『プロヴォーク』の全3巻が、半世紀を経て完全復刻版として出版されました。多木浩二、中平卓馬、高梨豊、岡田隆彦、森山大道(第2号から)を同人とした『プロヴォーク』の活動は、日本国内はもとより近年欧米でも非常に評価が高まり注目を集めています。ただ50年前に刊行された『プロヴォーク』は古書としても大変な稀覯本で、興味があってもこれまではほとんど「見ることができなかった」のです。今回の復刻は既存出版社ではなく、貴重なオリジナル版を入手する機会を得た一古書店が版元となり、皆ができる限りオリジナルに近いものを見ることができるようにとの強い思いから実現したものです。こんなタイミングに出くわしたなんて幸運ではないですか?

タイトル

『プロヴォーク 復刻版全3巻/PROVOKE Complete Reprint of 3 Volumes』

出版社

二手舎

価格

8,000円+tax

発行年

2018年

仕様

ソフトカバー/(第1号)210mm×210mm(第2号)240mm×180mm(第2号)240mm×190mm/(第1号)68ページ(第2号)109ページ(第2号)110ページ

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=131669374


写真家、石内都の暗室に40年以上眠っていた最初期の作品群を初めて写真集にした新刊です。昨年末から今年春にかけて横浜美術館で開催された石内都『絶唱、横須賀ストーリー』展の準備中に見つかったこれらの作品の大部分は会場でも展示されなかったため、今回が初出となります。実家の六畳間に初めて暗室を作り、横浜・横須賀周辺で撮影してはプリントしたという時期。その翌年には初期の代表作となる『絶唱、横須賀ストーリー』のシリースを撮り始め、『絶唱、横須賀ストーリー』と合わせて後に三部作と言われる『Apartment』『連夜の街』へとつながっていくのです。

タイトル

石内都『Beginnings 1975』

出版社

蒼穹舎

価格

3,200円+tax

発行年

2018年

仕様

ハードカバー/230mm×230mm/58ページ

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=136413454


写真家、モデル、パフォーマーと多彩な顔を持つアーティスト、花代による小さなアーティストブックです。タイトルの「何じょう物じゃ」は水戸黄門の時代から神宮外苑に存在していた「なんじゃもんじゃの木(正体不明の木)」から付けられています。花代が半玉時代に暮らした神宮前、そして新国立競技場建設現場を中心とした神宮外苑周辺地域はオリンピックに向けての再開発が進められ、そんな中、神宮外苑の樹齢100~300年の樹木が1500本も伐採されたそうです。花代が若い時代に見た風景はもちろんのこと、昨年の風景、ときには昨日あった風景もいまはない…頭の中に淡く残った残像のようなイメージをいくつも織り込んだ夏の物語にいつの間にか引き込まれていきます。

タイトル

花代『何じょう物じゃ(あんにゃもんにゃ)』

出版社

Rondade

価格

2,000円+tax

発行年

2018年

仕様

640mm×100mm/64ページ/450部限定

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=135550423

Shelf
外苑前にあるブックショップ。写真集を中心とした洋書を専門に取り扱っており、店内には希少な本から絶版書までさまざまなジャンルの写真集が所狭しと並べられている。

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前3-7-4
tel / fax: 03-3405-7889
http://www.shelf.ne.jp/