フィンランド独立100周年を記念し、現在21_21 DESIGN SIGHTでポップアップイベント「FIN/100」が開催されている。
期間中、フィンランド出身のアーティストであるリタ・イコネンと、ノルウェー出身の写真家カロリーヌ・ヨルトのデュオによるプロジェクトを記録した写真集『Eyes as Big as Plates』の出版記念イベントが行われた。『Eyes as Big as Plates』は、北欧に伝わる民話にインスピレーションを受けて制作され、人と自然の関わりを表現するために世界各地の老人たちを被写体としている。彼らの身近にある植物を用いて、リタが即興で冠や衣服のように制作したオブジェを身にまとうことで、自然と共生しながら暮らす人々の姿を写し出す。ノルウェーから始まり、グリーンランドやフランス、韓国など世界中を飛び回り、日本でも新潟や鹿児島などで撮影を行なった。
左がアーティストのリタ・イコネン、真ん中が写真家カロリーヌ・ヨルト。ときには零下の湖で撮影を行うこともあったという。
二人の出会いは、リタが「Norway」「Grannies」「Photographer」という3つの単語をインターネットで検索したところ、カロリーヌが最初にヒットしたことがきっかけだという。それから6年間一緒にプロジェクトを行ってきた。世界各地で出会った被写体をコラボレーターと呼び、芸術家、漁師、オペラ歌手などそのジャンルはとても多岐に渡る。アーティストトークで語られた撮影のエピソードは作品と同じように微笑ましく、いかに二人が偶然の出会いを大切にしているかが分かる。
凝った装丁の表紙は、よく見ると葉っぱがあしらわれている。落ち葉を装丁に使ったそうで、二人の手作業によって実現したもの。二人のお母さんの力も借りて、10日間かけて約8,000枚もの葉っぱを挟み込んだというこの美しい本は「Paris Photo / Aperture Foundation PhotoBook AwardのPhotobook Awards 2017」にもノミネートされるなど、高く評価されている。このプロジェクトは現在も継続中だという。これからの活躍が楽しみなアーティストデュオだ。
https://eyesasbigasplates.com/
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。