11月のパリは、写真に沸く。今年20年目を迎える老舗写真フェア「パリフォト」はもちろんのこと、いくつものブックフェアや展覧会、パフォーマンスやトーク、パーティなど、サテライト的なイベントが各所で繰り広げられ、写真ファンはまるでパリコレ中のファッションウィークにショーをはしごするモード編集者のように、分刻みであちこち飛び回る。
今年もパリを訪れたIMA編集部。その目的は若い日本人写真家たちを世界に紹介する展覧会「 #4」の開催のためだが、合間を縫っていくつかの写真イベントを覗いてきた。その様子を逐次、緊急レポート!まず第一弾は「BEYOND2020」と「パリフォト」、そして写真専門美術館「Le Bal」で開催された日本写真関連のイベントから。 LUMIX MEETS BEYOND2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS
若き写真家たち、パリで4回目の作品展示
パリでは今年4回目の開催と、すっかり恒例となった「LUMIX MEETS BEYOND2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #4」。今年は9月にオランダのUnseenフォトフェスティバルで初お披露目となった展示を、パリに巡回。ポンピドゥーセンターの向かいという好立地にある「YellowKorner」2Fギャラリースペースで、11月4日(金)からパリ展がスタートした。
8日(火)に開催されたオープニングレセプションには、オルセー美術館や現代アートのコレクション機関であるfracなどからキュレーターが、またアート系のジャーナリストも来場。参加作家も6人のうちの5人が東京、ロサンゼルス、フランスのリールなどそれぞれの活動拠点から駆けつけ、来場者たちへ直接プレゼンテーションする機会に恵まれ、フランス人たちから活発な質問を受けるなど反応も上々だった。
このプロジェクトには、まだ名前の知られていない日本の若手写真家たちの作品を世界に紹介するミッションと同時に、展示先の国に写真家たちが赴く機会を創出することで、アムステルダムならUnseen、パリならパリフォトと、その瞬間そこで起こっている写真の「いま」を体験するチャンスを得る、というふたつの側面がある。「平成写真家使節団」とでも呼びたくなる5人が吸収したものは、今後の作品に生かされていくに違いない。
次のページへ
2016パリフォト、完全復活!
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。