22 November 2018

The Carmignac Photojournalism Award

フォトジャーナリズムの最前線を行くアワード受賞者の作品を公開

AREA

フランス

22 November 2018

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フォトジャーナリズムの最前線を行くアワード受賞者の作品を公開 | Island in the Arctic sea near Qausuittuq (Resolute Bay) Canada, March 2018. © Kadir van Lohuizen / NOOR for Fondation Carmignac

Island in the Arctic sea near Qausuittuq (Resolute Bay) Canada, March 2018. © Kadir van Lohuizen / NOOR for Fondation Carmignac

The Carmignac Photojournalism Awardは、報道写真家の支援を目的に2009年にスタートした写真賞だ。受賞者は、世界の人権侵害や環境問題にまつわるテーマを定め、賞金を元に徹底的なリサーチと作品制作を行う。

今年の受賞者、ユーリ・コジレフ(Yuri Kozyrev)とカディル・ファン・ロホイゼン(Kadir van Lohuizen)は、気候変動による北極圏への影響を追跡。「Arctic: New Frontier」と題し、北極で起きている土地および、それに伴う住民生活の変化に着目した作品群を制作した。

コジレフは、ロシア極北地方の先住民族であるネネツ人の移牧に密着。彼らの移牧は、永久凍土層が溶けたために、今年歴史上初めて中断された。また、彼はロシア北部パレンツ海岸沿いの旅路でニッケル鉱業が原因で病に伏したノリリスクの人々に出逢う。そして最終地点ムルマンスクでは、世界史上初となる水上原子力発電所の建造が着々と進められている光景を目の当たりにする。

Yamal Peninsula April 2018 © Yuri Kozyrev / NOOR pour la Fondation Carmignac

Yamal Peninsula, April 2018 © Yuri Kozyrev / NOOR for Fondation Carmignac


一方のファン・ロホイゼンは、ノルウェー領のスピッツベルゲン島から北西航路をわたる。この航路は最近、氷が溶けたためにアジアとヨーロッパ間を結ぶ最短ルートになった。またグリーンランドでは、近年氷帽の下に幾つもの凍った川を発見し、それらが地球の海面上昇を促進させていると主張する科学者を取材。最後にファン・ロホイゼンは、2025年までに水中に消えるといわれているアラスカの村、キバリーナに住み込み、活動を行った。

Point Hope, Alaska, Arctic, May 2018 © Kadir van Lohuizen / NOOR for Fondation Carmignac

Longyearbyen, Spitsbergen, Svalbard, Arctic, June 2018 © Kadir van Lohuizen / NOOR for Fondation Carmignac


地球温暖化に伴い、北極区で進む土地の観光地化、貿易ルートの増加、そしてガスや鉱物資源の開拓は、土地の支配を競い合う多国籍企業の衝突を招いている。シリーズ「Arctic: New Frontier」は、北極区の急速な大変動を証明するものなのかもしれない。

「Arctic: New Frontier」は現在、パリ・シテ科学産業博物館(Cité des sciences et de l’industrie)にて12月9日まで展示されている。同時に出版される写真集にも注目だ。

March 2018, Resolute Bay, Canada. © Kadir van Lohuizen / NOOR for Fondation Carmignac

March 2018, Resolute Bay, Canada. © Kadir van Lohuizen / NOOR for Fondation Carmignac

タイトル

「Arctic: New Frontier」

会期

〜2018年12月9日(日)

会場

シテ科学産業博物館(フランス)

URL

http://www.fondationcarmignac.com/exposition/paris-yuri-kozyrev-and-kadir-van-lohuizen-arctic-new-frontier

2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。

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