今月11日から、アレック・ソスの最新作「I Know How Furiously Your Heart is Beating」の個展がアムステルダムのFoam写真美術館で始まる。
代表作「Sleeping by the Mississippi」を含むこれまでの作品では、ロードトリップを通じて、アメリカのさまざまな風景に潜む見逃されがちな日常を特有の詩的なイメージでとらえてきたソス。2015年に行われた回顧展以来、しばらく旅と撮影を控えていたそうだ。時間をかけて自身を振り返る時期となったここ数年を経たいま、1917年に書かれたワラス・スティーブンスによる詩「The Gray Room」に由来するタイトルが付けられた新作「I Know How Furiously Your Heart is Beating」は、彼の新しい出発点となる。前作までは主に特定の土地やコミュニティに焦点を当ててきたが、本作はある個人の生活と彼らの生活に目を向け、偶然の出会いの連鎖によって構築されている。
はっきりとしたナラティブは見出せないものの、詩的な写真は観客に十分な想像の余地を与え、見え隠れする人間本来の感情を示唆する。自然光で時間をかけて写真を作り上げることによって、写真家にとってのひとつの壁とも言える、被写体との距離感を縮めることに成功し、まるで異界の出入り口でもあるような空想的な世界観を表現している。
タイトル | 「I Know How Furiously Your Heart is Being」 |
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会期 | 2020年9月11日(金)〜12月12日(土) |
会場 | Foam写真美術館(アムステルダム) |
時間 | 10:00~18:00(木金曜は10:00〜21:00) |
URL | https://www.foam.org/museum/programme/alec-soth-i-know-how-furiously-your-heart-is-beating |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。