PGIで開催される川田喜久治作品展「エンドレス マップ」を記念して、IMAがオリジナル制作したムービー「『地図』の写真家 川田喜久治」(監督:高木康行)を公開。川田本人の証言のほか、デザインしたアートディレクターの杉浦康平、ニューヨーク公立図書館のディレクターやギャラリストが多角的にとらえた貴重な映像となっている。
川田喜久治のデビュー作『地図』は、世界から賞賛される写真集として歴史に刻まれる日本写真の金字塔として、いまも君臨している。1965年に刊行されるなり、その黒々とした写真と190ページ全てが観音開きというダイナミックな造本で写真界に衝撃を与え、川田の名は瞬く間に知られることとなった。日本にとって消し去ることのできない敗戦の記憶が、メタファーに満ちた写真表現で見事に立ち現れる。
この不朽の名作は、入手困難なヴィンテージブックのひとつとしてなかなか手に取ることが叶わないため、これまでに2005 年に月曜社とナツラエリプレスから新装本として、2014 年にはAkio Nagasawa Publishingより復刻版として、繰り返し刊行されるほどの人気を博してきた。
1961年に写真集に先立って銀塩プリントで発表された「地図」は、2004年にはプラチナパラジウムプリントによる再解釈が与えられる。その後1998 年から川田はインクジェットによる作品制作を続けているが、昨年から「地図」を和紙にプリントを開始。処女作に繰り返し向き合う姿勢によって、すでに世に出たトリミングを見直し、またデジタルによって銀塩では再現できなかったディテールまでがあらわになり、イメージは新しい命を吹き込まれ我々の前に新しい姿を現すことに。今回PGIで開催される展示では、プリント約30点が展示される。
まずはムービーで作家の声、専門家たちの解説に耳を傾けた後、もはや伝説化した傑作「地図」をその目で確かめに出かけてほしい。
撮影=高木康行
タイトル | |
---|---|
会期 | 2021年1月20日(水)~3月13日(土) |
会場 | PGI(東京都) |
時間 | 11:00〜18:00 |
定休日 | 日曜、祝日 |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。