東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、フランス人写真家アンヌ・ドゥ・ヴァンディエールによる「à mains levées シャネルを紡ぐ手」展が開催中だ。
ヴァンディエールはジャーナリストとしてそのキャリアをスタート。10年以上に渡り、都市化、工業化、グローバリゼーションによって消滅の危機に瀕したノウハウや文化を記録してきた。特に、技術や文化、芸術を生み出す“手”に魅せられ、1999年から“手”にフォーカスを当てた作品「H/and」シリーズを制作している。
今回の展示では、シャネルのオートクチュールのアトリエ、またそのクリエイションを支えるメティエダールの13のアトリエを取材。ツイードや、刺繍、プリーツ、カメリアなどの工房で動く手を写し出す。
手の写真だけでなく、職人たちの手についてのコメントも展示されている。自分にとっての手とは何かを語っており、読むと面白い。刺繍工房のルサージュではアーティスティック・ディレクターを務めるファッションデザイナー、クリステル・コーシェの語りがあるのでファンは必見だ。
ヴァンディエールにより切り取られた手は、繊細であり、時を刻むかのように無骨でもある。そして楽器を奏でるように優美な動きを見せる。職人技を大事にしつつ、芸術家のパトロンを務めた創始者シャネルのDNAが写真から伝わってくる。
煌びやかなファッションの舞台裏をアーティスティックにとらえた写真展。臨場感溢れるものづくりの世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
All photos © CHANEL
タイトル | 「à mains levées シャネルを紡ぐ手 アンヌ ドゥ ヴァンディエール展」 |
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会期 | 2022年8月31日(水)~10月2日(日) |
会場 | シャネル・ネクサス・ホール(東京都) |
時間 | 11:00~19:00(最終入場は閉廊の30分前) |
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