Myriam Boulos

注目作家の作品を毎日配信!第122弾はミリアム・ボウロス

「Nighshift」
写真を始めたばかりの頃の私は、モノクロ写真で夜の間のみ撮影をしていた。そのときにだけ、レバロンの首都・ベイルートの社会が突然浮かび上がる瞬間に出会うことができたらからだ。これらの写真は、20代のひとりの若い女性として、私を取り巻く世界には家父長制が色濃く残っていると気づき、自分の居場所に疑問を感じながら撮影したものだ。その当時の私は、路上で撮影をしながら人々の親密さをとらえようとしていた。親密さがある場所で、私たちは肉体的、そして精神的にも暴力にさらされやすい。また同時に親密さの中でこそ、自分たちは生まれ変わることもできる。私は個人的なこととは、必然的に政治的でもあると感じている。

「What’s ours」
2019年10月レバノンでは、制度的な腐敗、抑圧、格差の拡大、差し迫った経済崩壊などに不満を持つ、さまざまな宗派、地域、社会階級、国籍の人々が団結し、政治エリートたちの退陣を求める前例のない反政府デモが起こった。我々はともに虐待されているような関係性から抜け出し、ようやく「これは普通じゃない」と言えたと感じた。デモが始まったばかりの数日間は、人々の身体と皮膚の近さに心を奪われた。それは、私たちが初めて路上に集まった瞬間だった。それは、私たちが初めて自分たちの場所、街、国について声を上げて主張した瞬間だった。この時期から、私はカラー写真で日中も撮影をするようになった。

「Tell the trees to smile」
2020年8月4日
レバノン、ベイルート
爆発が起こったとき、私たちは浴室に隠れ、抱き合いながら死ぬのを待っていた。ベイルート港爆発事故による死者は221人、負傷者は6500人以上。30万人の家が破壊され、避難を余儀なくされた。

「Sexual fantasies」
爆発事故から1カ月後、レバノンでさまざまな問題が起こっている中で、このプロジェクトをスタートした。国が抱える問題とは別に、私個人の中にあるものに取り組もうと思ったのである。そこで、「女性であると自覚する方の中で、性的ファンタジーを共有したい人は、私にメールをください」と文章を添え、参加者を公募することにした。このプロジェクトは、テキストとイメージの組み合わせで構成されている。私は、メッセージの送り主に以下のような質問を送り返した。

イメージから、どのような想像をしていますか?
あなた自身は、イメージの中にいたいですか?
見せたいもの、隠したいものは何ですか?
どこで、どのように撮影されたいですか?

これまで女性の身体は主に男性の視線を通して描かれてきたが、このシリーズでは私たち女性が自分の身体について語り、所有することで、自分自身を取り戻そうとしている。

ミリアム・ボウロス/Nighshift

ミリアム・ボウロス/Nighshift

ミリアム・ボウロス/Nighshift

ミリアム・ボウロス/Nighshift

ミリアム・ボウロス/Nighshift

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/What’s ours

ミリアム・ボウロス/Tell the trees to smile

ミリアム・ボウロス/Tell the trees to smile

ミリアム・ボウロス/Tell the trees to smile

ミリアム・ボウロス/Tell the trees to smile

ミリアム・ボウロス/Tell the trees to smile

ミリアム・ボウロス/Tell the trees to smile

ミリアム・ボウロス/Tell the trees to smile

ミリアム・ボウロス/Sexual fantasies

ミリアム・ボウロス/Sexual fantasies

ミリアム・ボウロス/Sexual fantasies

ミリアム・ボウロス/Sexual fantasies

ミリアム・ボウロス/Sexual fantasies

ミリアム・ボウロス/Sexual fantasies

作品集名: Nighshift   What’s ours   Tell the trees to smile   Sexual fantasies  

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