日本と韓国を行き来しながら制作を行なっている写真家エリア・パク。彼のドキュメンタリー写真は現場の記録を通して記憶と消滅、現在と過去の間を問いかけています。一方、韓国で制作を続けるバク・スンウは、そのようなドキュメンタリー写真に対して疑い、操作し、再構築することに関心をおいています。対極ともいえる二人のアプローチを通して、韓国におけるドキュメンタリー写真、そして韓国現代写真について語る場となるでしょう。
エリア・パクとバク・スンウという韓国の現代写真を代表する二人の写真家を招いて、インデペンデントキューレーターであり雑誌『IANN』の編集長キム・ジョンウンとともに、2000年代以降の韓国現代写真の変遷と傾向をご紹介します。当日は二人の著書やIANN BOOKSの書籍もご覧いただけます。なおトークイベント終了後には、来日中の出演者を囲んで懇親会を行います。この貴重な機会にぜひご参加ください。
「説明できない、あるいは関わることの出来ない状況において私に出来ることは充実に記録することだけだ」―エリア・パク
「私は真剣に歴史を記録する作家でもなく、崇高な美を探し出す作家でもない。自分を定義するとしたら私は求めるイメージを見つけ、歪曲し、創造するシニカルな空想家である」―バク・スンウ
日程 | 2016年6月25日(土) |
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会場 | |
時間 | 19:30~21:00 |
料金 | 無料 |
定員 | 50名 |
申込締切 |
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エリア・パク|Area Park
釜山出身。慶一大学校と中央大學校大學院でドキュメンタリー写真を専攻。エルメス アトリエ「写真の道~宮城県でアルバムを拾う」、古隠写真美術館「放浪記」、錦湖美術館「都市少年」等で個展を開催。アメリカ、ドイツ、フランス、ロシア、中国、日本などで100回余りのグループ展に参加。2011年から東日本大地震の被災地を訪れ、現在まで撮影を続けている。韓国国立現代美術館で2015年5月にこれまでの作品を網羅した回顧展を開催した。現在、日本と韓国を行き来しながら撮影をしている。
http://www.areapark.net/ -
バク・スンウ|Back Seungwoo
1973年、韓国・デジョン生まれ。韓国で写真を専攻し、2001年イギリスのロンドンに移住、ファインアートと理論の修士を取得。2007年インサアートセンターにて開いた個展「Real World」をきっかけに韓国に帰国。ニューヨークやパリ、東京、ソウルなどで個展を開く。イメージの客観性や直接性、普遍性などに疑問を問いかけ、写真の表と裏に隠れているストーリー、そして現実と非現実にある間隙をとらえる作品を作り続ける。今年は韓国の国立現代美術館で毎年開かれる作家賞に選ばれ、8月末から国立現代美術館ソウル館にて展示を予定している。
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キム・ジョンウン|Jeong Eun Kim
韓国を拠点とするインディペンデントキュレーター、コンポラリー写真雑誌『IANN』(年2回発行)の創設者兼編集長。「Daegu Photo Biennale 2012」チーフコーディネーターや「Seoul Photo Festival 2010」のキュレーターといった、写真のフィールドで広範囲に活動する。現在ロンドンのミドルセックス大学博士課程。またKaywon University of Art and Designで教鞭を執る。