2004年に刊行され、アート写真のバイブルとして多くの支持を得てきた『現代写真論』(日本版は晶文社より2010年に刊行)。インディペンデントキュレーター、写真評論家として世界を横断しながら第一線で活躍するシャーロット・コットンは、この本を通して美術史と写真史の文脈における新時代の写真のありように新たな解釈と価値を与えた。
それから8年。2012年よりその続編として『IMA』本誌に連載された「続・現代写真論」は、その後に連なる作家たちを取り上げながら、ポストデジタルの写真というものが、どのようにしてアートの世界に根を下ろしたかを紐解いていく力作となった。5回の連載を再録し、時代を読み解くコットンの鋭い視点をあらためて再読する。
シャーロット・コットン|Charlotte Cotton
ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)やThe Photographer’sGallery、 ロサンゼルス郡立美術館(LACMA)、ニューヨークのカトナ美術館、ロサンゼルスの Metabolic Studioなどでキュレーターとして活躍、イギリス国立メディア博物館ではクリエイティブディレクターとして勤め、2015年から2016年にかけてニューヨーク国際写真センター(ICP)のレジデンスプログラムでゲストキュレーターを勤めた。著書に『The Photograph as Contemporary Art』(2004)、『Words Without Pictures』(2010)『Photography Is Magic』(2015)がある。