ピュ~ぴるは女神になったのか?
12年ぶりの個展をディーゼル渋谷で開催

04 December 2019

AREA

東京

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ピュ~ぴるは女神になったのか?12年ぶりの個展をディーゼル渋谷で開催

現代美術家ピュ~ぴるの12年ぶりとなる個展「GODDESS(ゴッデス)」が、東京・渋谷のディーゼル アート ギャラリーで開催中だ。展示タイトルの意味は、英語で女神という意味。今回初公開となる作品を豊富に用意している。

全身を覆うニットスーツによるパフォーマンスが評価されたピュ~ぴる。作品でまとうコスチュームは、服飾学校出身のため自分で制作。そのため少しモードからのインスパイアもほのかに香る。自身が性的マイノリティであるからか、変身願望も通奏低音のように流れている。ファッションの変身という記号的機能がマッチしているのだ。

今展のメイン作品であるポートレートシリーズ『女神』は、神話の神々にピュ~ぴるが扮した写真群。過去作品に加え、新作7点『性転換を誇るエロス』『欲情に駆られるアフロディーテ』『老女に姿を変えるデーメテール』などを発表。どれもピュ~ぴる扮するヴィヴィッドで官能的な女神が佇む。そこには非常に人間的な神様が写っている。

左から『- GODDESS ― 天空を舞うアイリス』『- GODDESS ― 性転換を誇るエロス』。共に新作だ。

左から『- GODDESS ― 天空を舞うアイリス』『- GODDESS ― 性転換を誇るエロス』。共に新作だ。

ピュ~ぴるは、性別適合手術を受け、戸籍上も女性となり結婚もした。天井から吊られるブランコに座る人形作品『幼きニンフ』は、性に悩んでいた思春期のピュ~ぴるを表現しているという。そんな少年ピュ~ぴるが変遷する女神を俯瞰する。そこには悩みが吹っ切れたような作家の心情が垣間見れる。

もうひとつのメイン作品は大型の彫刻作品たち。今回の展示のために制作された、全身がまばゆく輝く黄金の『観世音菩薩像』は神々しく、幸福感が漂う。デニムでつくられた『アルテミス像』にDIESELのタグにユーモアを滲ませる。

神々しい『- GODDESS ― 観世音菩薩像』

神々しい『- GODDESS ― 観世音菩薩像』

ピュ~ぴるは以前インタビューで好きなファッションデザイナーとして、イヴ・サンローランとクリスチャン・ディオールを挙げていたが、この彫刻作品はジョン・ガリアーノ時代のディオールのようなドラマティックな印象を受ける。煌びやかでロマンティックなものを好むお姫様願望の現れだろうか。

自らの身体と、「男と女」「生と死」「自己と他者」などの対立する要素を重ね合わせて表現する作家性は、人間の明と暗を見るようで胸に迫ってくる。ピュ~ぴるは女神になれたのか?それは作品を見て考えていただきたい。12月21日(土)16:00~18:00にはサイン会を予定している。そこで直接尋ねてみるのもよいかもしれない。

PHOTO: TAKAMURADAISUKE

タイトル

GODDESS(ゴッデス)

会期

2019年11月22日(金)~2020年2月13日(木)

会場

DIESEL ART GALLERY(東京)

時間

11:30~21:00