磯谷博史「5つの印象」展が、恵比寿・CAGE GALLERYで3月29日(日)まで開催中。
磯谷は1978年生まれの美術家。さまざまな素材と形式を行き来し、多層的な出来事をつくりだす作品を発表。近年は写真を媒介に時間と事物の関係を扱い、ポンピドゥー・センター主催のコレクション展「The Specter of Surrealism」(2017)や、森美術館「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(2019)などに出展、国内外で活動を広げている。
本展「5つの印象」は、セピアカラーの手のひらの写真と絵具で構成され、オリンピックの期間と場所に重なった、ある展覧会を告知する2枚のポスターからなる。手のひらには5つの円が描かれているが、これは過去にオリンピックを開催した国々の硬貨を肌に押し付け、充血させることで視覚化された。写真はセピアカラーに置き換えられ、かわりにかつてそこにあった充血の色がペイントされている。
ポスターに記載された情報は近い将来起こる出来事の告知。一方、写真はやがて消えゆく肌の刻印を写した過去の記録であり、事後的にペイントされた絵具は現在を強調するしるしとしてとらえられる。また、本展は「『展覧会の告知』の展覧会」という構造を持ち、本会場における会期と告知される会期との間にずれを生むなど、さまざまな方法で複数の時間が織り込まれた場を創り出しているといえる。
タイトル | 「5つの印象」 |
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会期 | 2020年2月1日(土)〜3月29日(日) |
会場 | CAGE GALLERY(東京都) |
時間 | 11:00〜20:00 |
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