フランス・サン=ポール・ド・ヴァンスのマーグ財団美術館にて、展覧会「THE ERA OF COURRÈGES(クレージュの時代)」が5月14日から開催される。同館にとって初となるファッションとアートの融合を主題とした本展は、写真家ピーター・ナップのキュレーションにより構成される。
本展の核となるのは、1965年にアンドレ・クレージュが発表した革新的なオートクチュールコレクション。ミニスカートや白を基調とした構築的フォルムは、それまでの装飾的なファッション観を一変させ、建築的な思考に基づく新たな女性像を提示した。このコレクションは「クレージュの衝撃」と呼ばれ、1960年代のモダニティを象徴する出来事となった。
ナップは当時、この新しいファッションを独自の視点で撮影し、1965年の『ELLE』誌において、モデルが空間に浮遊するようなイメージを提示した。本展では、その代表的なシリーズを中心に、大型プリントや関連作品、さらに実際の衣装やアーカイブ資料が展示される。
ナップとクレージュの関係は25年以上にわたる協働に及び、その写真は単なる記録ではなく、ファッションの思想を視覚化する実践として機能してきた。動き、光、色彩といった要素は、衣服の造形と呼応しながら、身体と空間の関係を再構築する。
