01 May 2026

マン・レイらの写真表現にも注目した「拡大するシュルレアリスム」展

01 May 2026

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ルネ・マグリット《王様の美術館》1966 横浜美術館

ルネ・マグリット《王様の美術館》1966 横浜美術館

ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》1957 大阪中之島美術館

エルザ・スキャパレッリ イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」1938 島根県立石見美術館 ※前期展示

フランシス・ピカビア《黄あげは》1926 大阪中之島美術館

ヴォルス《美しい肉片》1939 個人蔵

イヴ・タンギー《失われた鐘》1929 豊田市美術館

フリッツ・ビューラー ポスター「ジオデュの帽子」1934 宇都宮美術館 ※前期展示

エルザ・スキャパレッリ、ルシアン・ヌケルマン(制作) クリップ “サーカスの馬” モチーフ c.1938 個人蔵

ウジェーヌ・アジェ《働く女性の部屋、ベルヴィル通り》1910 東京都写真美術館 ※前期展示

スタジオ65 ソファ「ボッカ」1970/1972 国立国際美術館 撮影:福永一夫

東京オペラシティアートギャラリーでは、「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」が6月24日まで開催中だ。

シュルレアリスム(超現実主義)とは、理性によって分断された世界を乗り越え、新しい現実を求めようとする芸術運動のこと。1924年にアンドレ・ブルトンが定義づけ、無意識や夢に着目したフロイトの精神分析学に影響を受けた文学運動として発生した。どこか違和感がある風景や夢の中のような幻想的雰囲気など、シュルレアリスムの表現に一定の傾向を見出すことも可能だが、シュルレアリスムとは表現の様式をいうものではなく、世界の変革をめざすことを共通の精神とした、あらゆる創造行為をさしている。

そして、「日常を変える」ことと「世界を変える」ことをひと続きに捉えていたシュルレアリスムは、芸術の内部にとどまることなく、雑誌や広告、ファッション、室内デザインといった日常に密接した場面にも広がっていき、社会全体に影響をもたらした。シュルレアリスムが提示した新たな視覚表現とその広範な影響は、誕生から約100年を経た現代においてもなお新鮮な驚きとともに受けとめられている。本展では、国内に所蔵されている多様なジャンルの優品を一堂に集め、社会全体へと拡大した新しいシュルレアリスム像が示される。

見どころは、「芸術界にとどまらないシュルレアリスム」。オブジェ、絵画、写真などの芸術分野ではもちろん、広告やファッション、インテリアなど日常にも拡大していったシュルレアリスム。全6章の構成により、これまで本格的に検証される機会の少なかった視覚芸術以外の分野を併せて検証することでシュルレアリスムの発展、変遷をたどる。

なかでも第2章は「写真―変容するイメージ」と題し、マン・レイを筆頭に、シュルレアリストらの多彩な写真表現を紹介。19世紀前半に誕生した写真術は、被写体をそのまま写すという本来の役割を超えて、20世紀美術を彩る主要な表現の一つ。外界の事物をオブジェとして写し取る写真術の領域において、シュルレアリスムがめざした想像力の多様な広がりは豊かに開花した。シュルレアリストはさまざまな実験的技法を駆使して、日常的なモチーフを斬新で謎めいたイメージへと変えてきたのだ。

もちろん、サルバドール・ダリ、マックス・エルンスト、ルネ・マグリットをはじめとした、シュルレアリスムを代表する作家たちの名品も大集結。ルネ・マグリットの代表的なモチーフである山高帽の男が描かれた《王様の美術館》(横浜美術館所蔵)と《レディ・メイドの花束》(大阪中之島美術館所蔵)が展示され、ふたりの山高帽の男が展示室を彩る。大阪中之島美術館での展示から一部作品や資料を追加・変更し、さらに充実した展覧会をお見逃しなく。

タイトル

拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ

場所

東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)

会期

4月16日(木)〜 6月24日(水)
[前期]4月16日(木)〜5月17日(日)
[後期]5月19日(火)〜6月24日(水)

時間

11:00-19:00(入場は18:30まで)

休み

月曜日(ただし5月4日は開館)、5月7日

料金

一般 1,800円/大・高生 1,100円/中学生以下無料

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