クラシック音楽を香りに編曲するフレグランスブランド、「La Nuit parfum(ラニュイ パルファン)」が、ブランド設立5周年を記念して発表した新作オードパルファン5種のムエットに、国内外の写真家、アーティストによる作品を採用した。香りを試すための消耗品として扱われることの多いムエットを、音楽、香り、写真という3つの表現をつなぐメディアとして展開する。
2026年の新作は、フランツ・シュミット《7つの封印の書》、シェーンベルク《グレの歌》《浄められた夜》、ベルリオーズ《幻想交響曲》、チャイコフスキー《くるみ割り人形》の5作品。それぞれの楽曲を世界的指揮者ファビオ・ルイージ、ドイツの調香師ヨシカ・クレー、フランスのスタジオFLAIRが嗅覚へと翻訳した。各30mL、1万9800円(税込)で、10月7日から伊勢丹新宿店サロン ド パルファン 2026で先行発売される。
今回、それぞれの香りに対応するムエット(試香紙)も独立したビジュアル作品として制作。《7つの封印の書》には在本彌生、《グレの歌》には柏田テツヲ、《幻想交響曲》には山谷佑介、《くるみ割り人形》にはmanimaniumを起用。そして《浄められた夜》には、フランスを拠点に活動する現代美術家Marie Gueydon de Dives(マリー・ゲドン・ド・ディヴ)の作品が採用された。
世界を旅する在本は終末から新世界が生まれる曲に合わせ、光が差す希望を感じさせる1枚。山谷は野湯を撮ったONSENシリーズから、サイケデリックな作品を提供。柏田はウードを使用した叙事詩的に楽曲に神話的な屋久島の森を撮った。manimaniumは代表作である「ケーキでエロ本作れるし」シリーズのような官能的なデザートを撮影。Marieはダークな曲と香りに合わせて夜の森のシリーズをペアリングしている。
La Nuit parfumは、2021年のブランド誕生以来、クラシック音楽を単に香水の商品名として引用するのではなく、楽曲の構造や物語、感情の推移そのものを香りへと置き換えることを試みてきた。今回のムエットでは、その方法論をさらに視覚表現へと拡張。ひとつの楽曲から「音楽→香り→写真」という異なる感覚への翻訳を重ねることで、香水を嗅ぐ体験そのものをひとつの複合的な作品へと近づけている。
